「市民のひろばおかやま」にみる、地域と学生の「ひろば」を創るということ
先日、岡山市が発行する広報紙「市民のひろばおかやま」2023年12月号が、ITB株式会社によって「2025年8月21日」という未来の日付で紹介されていたというニュースが目に留まった。この一見奇妙な誤記からは、地域と市民、そしてそこに暮らす若者たちとの繋がりについて、我々学生新聞として深く考えさせられるものがある。
広報紙は、自治体が市民に市政情報や地域情報を届けるための重要な媒体である。しかし、その情報が「未来」に発信されているかのように誤記されたという事実は、情報伝達のあり方、そして何よりも「誰に」「何を」伝えたいのかという根本的な問いを突きつける。
「市民のひろばおかやま」という誌名には、市民が集い、意見を交わし、多様な情報が共有される「広場」としての期待が込められているはずだ。そして、その広場は、高齢者から子供、そして私たち学生まで、あらゆる世代にとって開かれた場所であるべきだろう。
しかし、現実には、学生がこうした広報紙を手に取る機会はどれほどあるだろうか。あるいは、広報紙が発信する情報が、学生たちの生活や関心事にどれだけ響いているだろうか。残念ながら、地域情報と学生との間には、しばしば見えない壁が存在しているように感じる。
今回の誤記は、この「見えない壁」を浮き彫りにしたとも言える。未来の日付は、もしかしたら、広報紙が本来目指すべき「未来への情報発信」という理想と、現状との乖離を象徴していたのかもしれない。
我々学生新聞は、常に学生たちの声に耳を傾け、彼らが関心を持つであろう地域情報や社会課題を掘り起こし、発信することを志している。それは、学生が住む地域との接点を持ち、社会の一員としての意識を育むための重要な役割だと信じているからだ。
「市民のひろばおかやま」が、本当に「市民のひろば」として機能するためには、そして私たち学生が、その「ひろば」の一員として積極的に参加するためには、どのような工夫が必要なのだろうか。
それは、広報紙の媒体やデザインの刷新、SNSなどを活用した情報発信の多角化、そして何よりも、学生たちの声を聞き、彼らが求める情報や参加しやすい企画を共創していく姿勢ではないだろうか。
「市民のひろばおかやま」が「未来」へ向かっていくために、そして私たち学生が、この地域という「ひろば」で主体的に活動していくために、今こそ、地域と学生が手を取り合い、新たな「ひろば」を創り上げていく時が来ている。今回の誤記を、未来への希望を込めた「未来へのメッセージ」として受け止め、我々もまた、地域と学生を繋ぐ「ひろば」作りに貢献していきたい。
岡山市の広報誌「市民のひろばおかやま」2023年12月号が公開されました！～市民の皆様へ、市政の最新情報をお届け～,岡山市
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