届いた荷物、現金引換で届いたのに心当たりがない？ 「受け取り拒否」という選択肢を、私たちはもっと知るべきだ
最近、SNSを中心に「身に覚えのない荷物が届き、現金引換で受け取ってしまった」という体験談が話題になっている。運送業者から「代金引換でお届け物です」と告げられ、怪訝に思いつつも、その場で現金で支払ってしまったというケースだ。その中には、送り主が不明なもの、あるいは全く注文した覚えのない商品が詰め込まれていたという声も少なくない。
この問題、一見すると「なぜ確認しなかったのか」と軽々しく片付けられがちだが、そこには現代社会における「受け取り」のあり方、そして私たち消費者が持つべき権利について、深く考えさせられる側面がある。
まず、多くの人は「運送業者が持ってきたのだから」という安心感から、無条件に受け取ってしまう傾向があるのではないだろうか。特に、日頃からインターネットショッピングを利用している私たち学生にとっては、自宅に荷物が届くのは日常茶飯事だ。そのため、疑うことなくサインをし、支払いを済ませてしまう。しかし、この「当たり前」こそが、悪質な業者に付け入る隙を与えてしまうのだ。
「現金引換」というシステムは、本来、購入者が商品を確認してから対価を支払うための、安全な取引手段のはずだ。しかし、それが「身に覚えのないもの」に対しても無条件に適用されるのであれば、それはもはや消費者保護とは言えない。
なぜ、私たちは「受け取り拒否」という選択肢を、もっと積極的に活用しないのだろうか。おそらく、それは「断りにくい」「面倒くさい」という心理が働くからだろう。しかし、考えてみてほしい。もし、その荷物が詐欺まがいの商品、あるいは個人情報を抜き取るための罠だったとしたら？ その「断りにくい」という気持ちが、思わぬトラブルを招きかねないのだ。
学生新聞として、私たちはこの問題に対して、二つのことを訴えたい。
一つは、「受け取り拒否」という権利の周知徹底である。運送業者から代金引換で荷物が届いた際、送り主や内容に心当たりがない場合は、遠慮なく「受け取り拒否」を伝えるべきだ。これは、消費者として当然の権利であり、むしろ積極的に行使すべき行動である。運送業者にも、その旨をしっかりと伝えることで、悪質な業者への抑止力にもなるはずだ。
もう一つは、「怪しい」と感じたときに立ち止まる勇気である。インターネットの普及により、買い物のハードルは格段に下がった。しかし、その手軽さゆえに、私たちは情報過多の中で「本当に信頼できる取引か」を見極める力を鈍らせてしまっていないだろうか。少しでも「おかしいな」と感じたら、すぐに支払うのではなく、一度立ち止まって、送り主や商品について調べる習慣をつけることが大切だ。
この「身に覚えのない荷物」問題は、単なる個人の体験談として片付けられるものではない。それは、私たちが情報化社会の中で、いかに賢く、そして安全に消費活動を送るべきかという、普遍的な問いを投げかけている。
届いた荷物、現金引換で届いたのに心当たりがない。そんな時、私たちは「受け取り拒否」という、もう一つの「受け取り方」を知っている。そして、それを選択する勇気を持つべきなのだ。
届いた荷物、代金引換で届いたのに心当たりがない…？ 徳島県からの注意喚起！,徳島県
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