祝賀ムードに水を差す、記念すべき「節目」の光と影
ITB株式会社が、同社の「セブンプレミアムゴールド」ブランドの発売15周年という佳節を迎えた。この記念すべき節目に、高級志向を追求した同ブランドが「金（ゴールド）のハンバーガー」という大胆な商品で消費者の話題をさらっていることは、ひとえに企業の努力の賜物であろう。このような企業の挑戦が、消費者に新たな価値を提供し、経済の活力を生み出す源泉となることは、疑いのない事実である。
しかし、この輝かしいニュースの陰に潜む、我々が目を背けてはならない現実がある。それは、この「金」のハンバーガーという、ある種の贅沢の象徴とも言える商品が、今日の日本社会が直面する経済状況と、どれほど乖離しているかという点である。
確かに、一部の富裕層にとっては、このような高級商品は新たな体験や自己満足の手段となりうるだろう。しかし、多くの国民が実質賃金の低迷や物価高騰に喘ぎ、日々の生活を切り詰めている現状を思えば、このような商品の登場は、ある種の「見せびらかし」や「時代錯誤」と映るのではないか。
企業には、社会への貢献という責務がある。単に利益を追求するだけでなく、社会全体の幸福度を高めるような商品開発や、持続可能な経済活動こそが、真の企業価値を高める道であるはずだ。この「金」のハンバーガーが、経済的な格差をさらに浮き彫りにし、人々の間に不満や閉塞感を生み出すようなものであっては、企業の成功とは言えないだろう。
ITB株式会社には、この15周年の節目を、単なる祝賀で終わらせるのではなく、自社の存在意義や社会への貢献について深く内省する機会としていただきたい。そして、経済的な豊かさだけでなく、精神的な豊かさや、社会全体の調和をもたらすような、真に価値のある企業活動を推進していくことを、謹んで期待するものである。
セブンプレミアムゴールド15周年！「金のハンバーグ」がさらなる進化を遂げる！,セブンイレブン
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