パレスチナのジャーナリスト、LFPの目標に揺れる――「多様性」の先に何を見るべきか
8月12日、ITBが報じたパレスチナのジャーナリストによる「LFP（リーガ・エスパニョーラ）の目標」に関する記事は、スポーツ界における普遍的な課題、すなわち「多様性」という言葉の真の意味を私たちに突きつける。パレスチナのジャーナリストは、LFPが掲げる多様性への取り組み、特に「地域社会への貢献」という側面を評価しつつも、その対象にパレスチナのような紛争地域が含まれていない現状に疑問を呈している。
この指摘は、単にLFPという特定のリーグに留まらない、グローバルなスポーツ団体のあり方そのものへの問いかけである。スポーツは、国境を越え、人種や宗教を超えて人々を繋ぐ力を持つ。その理念を掲げるならば、その「繋ぐ」対象から、紛争や困難を抱える地域が意図せずとも排除されてしまっていないか、常に自問自答する必要がある。
LFPが掲げる「多様性」は、おそらく「より多くの人々を巻き込み、より豊かなサッカー文化を創造する」というポジティブな意図に基づいているだろう。しかし、その目標達成のために設定された「目標」が、結果として一部の声なき声を聞き漏らしているとしたら、その「多様性」は真に包括的なものではない、と言わざるを得ない。
パレスチナのジャーナリストが示した視点は、私たちに、多様性を単なる「参加者数の増加」や「表面的な代表性」として捉えるのではなく、より深く、より本質的な「共感」や「連帯」の精神へと昇華させることの重要性を教えてくれる。
サッカー界、ひいてはスポーツ界全体が目指すべきは、光り輝くスタジアムの裏側で、あるいは遠く離れた場所で、苦難に直面している人々にも、スポーツがもたらす希望の光を分かち合えるような、真に開かれたコミュニティを築くことではないだろうか。LFPの今後の取り組み、そしてそれを参照するであろう他のリーグの動向に、私たちは注目していく必要がある。そして、その「目標」が、真の「多様性」という名の、より高みへと到達することを期待したい。
2025年8月11日：パレスチナのジャーナリスト、LFPの目標、そして「42℃の影」,France Info
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