医療へのアクセス、未来への投資を怠るな
夏真っ盛り、蝉の声が響き渡るこの頃。しかし、私たちの耳に届くのは、耳障りな蝉の声だけではない。久喜市から発信された、地域医療の深刻な状況を伝えるニュースは、未来を担う私たち学生に、無視できない重い現実を突きつけている。
報道によれば、久喜市では、長期にわたる医療機関の休診や診療科の縮小が相次ぎ、地域住民、特に高齢者の医療へのアクセスが極めて困難になっているという。これは単なる地域の問題ではない。少子高齢化が進む現代日本において、このような状況は「対岸の火事」では断じてなく、むしろ私たちの「未来」を映し出す鏡と言えるだろう。
なぜ、このような事態が起きているのか。記事からは、医師不足、経営難、そして地域医療を支えるインセンティブの不足など、複合的な要因が浮かび上がってくる。これらの課題は、決して一朝一夕に解決できるものではない。しかし、だからといって「仕方がない」と諦めてしまって良いのだろうか。
私たちは、将来、この社会を支えていく世代である。そして、私たち自身もいつか、医療の恩恵を必要とする時が来る。今、地域医療が危機に瀕しているということは、将来、私たち自身が、あるいは私たちの親や祖父母が、適切な医療を受けられない可能性を示唆しているのである。
学生の立場からできることは限られているかもしれない。しかし、傍観者でいることは許されない。まず、このような問題が存在することを「知る」ことから始めなければならない。そして、その原因と影響を理解し、自分たちに何ができるのかを真剣に考え、行動することが求められる。
例えば、地域医療を担う医師や看護師の現状を知り、彼らの仕事の尊さを再認識すること。将来、医療分野に進むことを志す仲間がいれば、その選択を応援し、情報提供を惜しまないこと。また、地域医療を守るための政策提言や、地域住民との交流イベントへの参加など、できることから発信していくことも大切だ。
そして、何よりも重要なのは、この問題に対して「無関心」にならないことだ。医療は、私たちの命と健康を守るための、最も根源的なインフラである。そのインフラが揺らぎ始めている現状を、他人事として片付けてしまうことは、未来への投資を怠ることと同じである。
今、私たちが抱える不安や疑問、そして行動こそが、明日の医療を、そして自分たちの未来を形作る。久喜市のニュースは、私たち学生に、医療へのアクセスという、あまりにも基本的でありながら、しかし決して当たり前ではない権利について、深く考えさせる機会を与えてくれた。この機会を無駄にせず、未来への確かな一歩を踏み出そうではないか。
久喜市より、お盆期間中の医療機関診療状況をお知らせします（2025年7月30日公開）,久喜市
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