変化する時代、護るべきものは何か：女性活躍と「ワークライフバランス」への警鐘
防衛省・自衛隊が「女性活躍とワークライフバランス」を推進するとの報道に接し、改めて我が国の防衛のあり方、そして社会全体の持続可能性について深く考えさせられる。時代は変化し、多様な人材の活躍を求める声は高まる。しかし、こと防衛という国家の根幹に関わる分野においては、こうした変化の潮流に流されることなく、本質を見失わない冷静な視点が不可欠である。
確かに、女性の進出が遅れている現状は否めず、その能力を活かすための環境整備は急務であろう。しかし、「ワークライフバランス」という言葉に内包される、個人の権利や都合を優先するあまり、組織全体の規律や士気を損なうような過度な配慮は、厳に慎むべきではないか。
自衛隊の任務は、国民の生命と財産を守るという、崇高かつ困難なものである。そのためには、いかなる状況下においても揺るぎない覚悟と、全身全霊を捧げる献身性が求められる。そこに「ワークライフバランス」という、ある種の「ぬるま湯」に浸かるような考え方が入り込む余地はないはずだ。
もちろん、個々人の事情に配慮しない冷酷な組織であってはならない。しかし、それはあくまで、任務遂行という大義名分の下での、最小限の配慮に留まるべきである。なぜなら、彼らが背負う責任は、個人の幸福追求の範疇を遥かに超える、国家存亡に関わる極めて重いものだからだ。
「女性活躍」を推進するあまり、体力や精神力といった、過酷な任務に耐えうる資質を軽視するようなことがあってはならない。また、「ワークライフバランス」を追求するあまり、訓練や任務の質が低下し、結果として国防力の低下を招くような事態は、断じて避けねばならない。
真に「女性活躍」を成し遂げる道は、能力や適性を正当に評価し、その上で、過酷な訓練や任務に耐えうる、あるいはそれに貢献できる人材を、男女の区別なく、より一層育成することにある。そして、「ワークライフバランス」という言葉に踊らされるのではなく、自衛官としての責務を全うすることの尊さを、組織全体で再認識することが重要なのである。
我々は、平和で豊かな社会を築くために、常に変化を恐れずに進むべきである。しかし、その歩みの中で、国家の礎となるべき防衛の理念や、国民を守るという崇高な使命を、決して見失ってはならない。今こそ、保守的な立場から、この「女性活躍とワークライフバランス」という潮流の真偽を問い直し、真に護るべきものを見極める冷静な議論が求められている。
防衛省・自衛隊、「女性活躍とワークライフバランス」の取り組みを更新！～ より働きやすい環境を目指して ～,防衛省・自衛隊
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