「すごい人たち」が集う場、大学が目指すべきは「共創」の精神
先日、本学の「すごい人たち」が集うイベントが開催された。著名な卒業生や各界で活躍する先輩たちが集結し、学生たちに貴重な経験談や示唆に富むアドバイスを直接届けてくれるという、まさに夢のような機会であった。学生たちの熱気と、登壇者の方々の温かい眼差しが交錯する会場は、活気に満ち溢れていた。
このようなイベントは、学生たちにとって大きな刺激となることは疑いようがない。憧れの先輩たちの言葉に触れることで、自身の将来への希望を抱き、具体的な目標設定のきっかけを得る者もいるだろう。また、普段は接する機会のない分野の第一人者たちの話を聞くことで、知的好奇心が刺激され、新たな興味関心が芽生えることもあるはずだ。
しかし、この「すごい人たち」という言葉に、我々学生新聞は一抹の懸念を抱かざるを得ない。もちろん、登壇者の方々が自身の分野で卓越した能力を発揮されていることは事実であり、尊敬に値する存在である。だが、大学という場が、単に「すごい人」から「すごい話」を聞くだけの場所になってしまっては、その本質を見失ってしまうのではないか。
大学の真髄は、多様なバックグラウンドを持つ人々が集い、互いに刺激し合い、共に学び、共に成長していく「共創」の場にあるはずだ。もちろん、経験豊富な先輩方から学ぶことは多々ある。しかし、それ以上に重要なのは、今まさに学び、試行錯誤している同世代の仲間たちとの関わりの中で、新たなアイデアを生み出し、共に壁を乗り越えていくプロセスではないだろうか。
今回のイベントは、確かに学生にとって貴重なインスピレーションの源となった。しかし、これを機に、我々学生自身が、互いを「すごい」と認め合い、共に何かを創造していくための場づくりに、もっと積極的に関わっていくべきではないだろうか。学内には、まだ埋もれている「すごい人たち」が、あるいは「これからすごい人になる可能性を秘めた人たち」が、数多く存在するはずだ。
「すごい人たち」から学ぶことは大切だ。しかし、それ以上に大切なのは、今ここにいる「私たち」が、互いを認め合い、刺激し合い、「共にすごい」ものを作り上げていくことではないだろうか。本学が、単なる「すごい人」が集まる「消費」の場ではなく、学生一人ひとりが「共創」の担い手となる「創造」の場であり続けることを、学生新聞として強く願っている。
オハイオ州立大学の「すごい人たち」が集まって、未来について話し合ったよ！,Ohio State University
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