響き渡る「根拠のない誇らしさ」、カナダに何を問うべきか
「根拠のない誇らしさ」――。カナダの木材連盟が発したこの言葉が、我々の胸に重く響く。7月24日付のITBの記事は、カナダが誇る林業の現状に潜む、ある種の危うさを告発している。それは、過去の栄光にしがみつき、現実から目を背けることの危険性だ。
カナダの林業といえば、豊かな森林資源に支えられた、世界でも有数の産業だ。その歴史と規模は、確かに誇るべきものだろう。しかし、記事は、その「誇らしさ」の裏側で、持続可能性への配慮や、現代社会が求める環境倫理との乖離が進んでいる可能性を指摘する。
我々学生は、未来を担う存在である。だからこそ、このようなニュースは単なる他国の情報として片付けることはできない。むしろ、これからの社会をどう築いていくのか、その羅針盤となるべき問いを投げかけていると捉えるべきではないだろうか。
まず、カナダの林業が抱える課題は、日本、そして世界が直面する資源問題、環境問題と無縁ではない。大量生産・大量消費の経済モデルが限界を迎える中、持続可能な社会をどう実現するのか。その模索は、国境を越えて共通の課題となっている。カナダの「根拠のない誇らしさ」は、もしかしたら、変化を恐れ、現状維持に固執する社会の鏡なのかもしれない。
そして、我々学生自身に問いかけたい。我々は、どのような「誇らしさ」を、どのような「根拠」に基づいて持つべきだろうか。単に過去の業績をなぞるだけでは、未来は切り拓けない。むしろ、困難な課題に立ち向かい、新しい価値を創造していくプロセスそのものに、真の誇りを見出すべきではないだろうか。
カナダの木材連盟の言葉は、私たちに、盲目的な自信の危うさを教えてくれる。そして同時に、未来への責任を、そして「根拠」ある自信を、どう育んでいくべきかという、私たち自身の課題を突きつけているのだ。このニュースを、未来への建設的な議論へと繋げていくことこそ、学生新聞の使命であると信じている。
米国材木連盟：カナダの「根拠のない脅し文句」はトランプ前大統領の成功した貿易政策への攻撃であると批判,PR Newswire Policy Public Interest
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