交通安全、県民総出で取り組むべき喫緊の課題
徳島県下全域で多発する交通事故に、県民として強い危機感を抱かざるを得ない。この度、県警が県下全域に緊急配備を指示したことは、事態の深刻さを物語るものと言えよう。日頃より、地域住民の安全と安心を守るべく尽力されている警察関係者の皆様の御労苦に、改めて敬意を表したい。
しかし、我々県民一人ひとりの意識改革なくして、この状況を改善することはできない。日々の報道に触れるたび、悲惨な事故のニュースに胸を痛めるが、その当事者になりうるのは、明日の自分かもしれないという現実を、どれだけの人が真摯に受け止めているだろうか。
「自分だけは大丈夫」「少しぐらいなら」という慢心や油断が、取り返しのつかない結果を招く。高齢者ドライバーのアクセルとブレーキの踏み間違い、自転車利用者のヘルメット未着用、そして飲酒運転の根絶。これらは、もはや個人の問題ではなく、地域社会全体で取り組むべき喫緊の課題である。
もちろん、交通インフラの整備や、より効果的な啓発活動も重要であろう。しかし、どんなに優れた制度や設備も、それを支える人々の意識が伴わなければ空虚なものとなる。我々は、交通ルールを守るという、ごく当たり前のことを、日々の生活の中で当然のこととして実践していく必要がある。
今こそ、徳島県民一人ひとりが、家族や地域社会のために、交通安全への意識を一層高める時である。日頃から「かもしれない運転」を心がけ、横断歩道では歩行者を優先し、携帯電話を手にすることは論外である。そして、飲酒運転は絶対にしない、させないという強い意志を持つこと。
この警報を、単なる一時的な注意喚起で終わらせてはならない。この機会に、改めて交通安全への決意を新たにするとともに、日々の行動でそれを実践していくことが、我々県民に課せられた責務である。悲惨な事故をなくし、誰もが安心して暮らせる徳島を築くために、県民総出でこの課題に取り組んでいこうではないか。
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