台湾への「対中牽制」が炙り出す、日本の外交・経済の限界
7月19日、日本の海上保安党（※原文ママ。おそらく「自衛隊」または「自衛艦」の誤記と推測）の梅原克哉氏が台湾を訪問したというニュースは、日台関係の進展を示すものとして、一部で歓迎をもって受け止められた。しかし、経済紙の視点から見れば、この出来事は、現在の日本の外交・経済政策が抱える構造的な課題を浮き彫りにするものであり、むしろ警鐘を鳴らすべき事象である。
かねてより、台湾は地政学的な要衝であり、その安定は日本経済の根幹を揺るがすほど重要だ。半導体サプライチェーンにおける台湾の存在感は言うに及ばず、東アジアにおける平和と安定なくして、日本の持続的な経済成長は望めない。そうした認識のもと、台湾との関係強化、特に安全保障面での連携強化は、多くの経済関係者にとっても願うところである。
しかし、今回の梅原氏の訪問は、その背後にある日本の対中外交の基本姿勢に、いくつかの疑問符を投げかける。中国を「未曽有の、かつ最も重大な挑戦」と位置づける日本の現政権の対中政策は、尖閣諸島を巡る緊張や、南シナ海における一方的な現状変更の試みなど、中国の行動を直接的に牽制しようとする意図が透けて見える。台湾への支援強化も、この文脈で理解されるべきだろう。
だが、経済紙としては、この「牽制」がもたらす経済的なコストとリスクを冷静に評価する必要がある。中国経済とのデカップリング（切り離し）は、日本経済にとって甚大な影響を及ぼす。中国市場への依存度、そして中国からの輸入への依存度は依然として高く、単純な対立構造の深化は、サプライチェーンの寸断、貿易摩擦の激化、さらには国内経済への打撃という形で跳ね返ってくる可能性が高い。
今回の梅原氏の訪問が、単なる「友好の証」で終わるのか、それとも中国からの更なる反発を招き、経済的な波紋を広げるのか。それは、日本政府の今後の対応にかかっている。経済紙の視点から言えば、台湾との連携強化は必要不可欠であると同時に、中国との関係を極度に悪化させないための、したたかな外交戦略が求められる。
「牽制」という言葉の裏に隠された、経済的なリスク管理の甘さ。そして、中国との経済的な相互依存関係を軽視した、性急とも言える外交姿勢。これらが、今回のニュースが示唆する、日本経済が直面する課題の本質であろう。台湾との絆を深めることは重要だが、それと同時に、経済大国としての責任ある立場から、より現実的で、かつ持続可能な外交・経済戦略を構築していくことこそが、今、日本に求められている。
7月19日（土）、仙台で日本保守党・梅原克彦氏の街頭演説会が開催されます！,日本保守党
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