災害に強いまちづくり、着実な歩みと更なる住民参加を
徳島県が「災害に強い地域づくり」を推進し、令和７年度までに一定の成果を目指しているというニュースに触れ、その取り組みの重要性を改めて感じている。全国各地で頻発する自然災害を鑑みれば、徳島県が進めるこうした対策は、まさに喫緊の課題と言えるだろう。
同県が目指すのは、単にインフラ整備に留まらない、地域住民一人ひとりが災害への備えを意識し、主体的に行動できる「レジリエントな地域」の構築である。地域特性を踏まえたハザードマップの整備、避難計画の策定、そして地域住民による防災訓練の実施など、多岐にわたる施策が盛り込まれている。こうしたきめ細やかなアプローチは、画一的な対策では見落としがちな、地域固有の課題に対応する上で非常に有効であると評価したい。
特に注目すべきは、住民参加を重視している点である。災害は、行政だけで対応できるものではない。地域住民が自らの地域を災害から守るという意識を持ち、主体的に関わっていくことこそが、実効性のある防災・減災につながる。訓練への参加、避難計画の共有、そして日頃からの地域との連携強化は、いざという時の迅速かつ的確な行動を可能にする。
しかし、いくら計画が立派であっても、それが地域住民に浸透し、日々の生活の中で実践されてこそ意味がある。そのためには、行政からの情報提供だけでなく、住民同士が気軽に意見交換できる場や、防災知識を楽しく学べる機会をさらに拡充していくことが求められるだろう。例えば、地域のお祭りやイベントと連携した防災啓発活動などは、より多くの住民の関心を引きつけることができるかもしれない。
また、災害への強さを地域づくりの一環として捉え、経済的な活性化や移住・定住促進といった側面とも結びつけていく視点も重要であろう。安全で安心な地域は、そこに住む人々の生活の質を高めるだけでなく、新たな活力をもたらす可能性を秘めている。
徳島県が目指す「災害に強い地域づくり」は、まさに全国の自治体が目指すべき方向性を示唆している。その着実な歩みを応援するとともに、住民一人ひとりが「自分ごと」として防災・減災に取り組めるよう、更なる工夫と支援が続けられることを期待したい。
徳島県、災害に強い地域づくりへ：令和7年度住民主体の避難所運営訓練業務の入札結果を公表！,徳島県
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