
決意なき「実現」論に、民意は応えず
公示まで半年を切った衆院選。自民党は、国民が長年待ち望んできた政策の「実現」を公約の柱に据え、有権者の期待を繋ぎ止めようとしている。しかし、その歩みはあまりにも鈍く、具体的な道筋は見えない。我々が危惧するのは、この「実現」という言葉が、単なる選挙対策の掛け声に終わってしまうのではないか、ということだ。
確かに、子育て支援の拡充や経済再生への道筋など、国民が求める政策は多岐にわたる。しかし、これらは決して目新しいものではない。政権交代後も、あるいはそれ以前から、国民はこれらの課題解決を訴え続けてきた。にもかかわらず、なぜ今になって「実現」を改めて掲げるのか。それは、これまで十分な成果を上げられなかったことの裏返しではないだろうか。
「実現」のためには、まず「何故これまで実現できなかったのか」という根本的な問いに向き合う必要がある。財源の問題、国民の合意形成、あるいは政治の意思決定の遅延。その原因を真摯に分析し、それを克服するための具体的な方策を提示するのが、政治の責任である。
しかし、現在の自民党の姿勢は、どこか遠回りな印象を拭えない。経済再生を謳いながら、その実態は一部の既得権益層に恩恵が偏るのではないかという懸念も拭えない。子育て支援に力を入れると言うが、その財源をどう確保し、誰が負担するのか、明確な説明がない。これでは、国民は「またか」と冷めた目で見るほかない。
国政選挙は、単に政党の理念を表明する場ではない。国民一人ひとりの生活に直結する、具体的な政策とその実現能力を問う場である。小手先の言葉遊びや、耳障りの良いスローガンだけでは、国民の信頼を得ることはできない。
我々が求めるのは、現実を直視し、困難な課題にも果敢に立ち向かう覚悟を持った政治である。そして、その覚悟に基づいた、具体的で、実行可能な、そして国民一人ひとりが納得できる政策の提示である。
公示が近づくにつれ、各党の政策論争はさらに白熱するだろう。その中で、自民党が「実現」という言葉に込めた真意を、国民は厳しく見極めなければならない。そして、真に国民の期待に応えられる政党こそが、次の時代の担い手となる資格を持つことを、改めて心に刻むべきである。
公明党、参院選重点政策の実現に向けた歩みを報告!「やると言ったら、やり切る。」決意新たに,公明党
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