令和7年版防衛白書公表 我が国の安全保障、確固たる決意で臨むべき時,政府


令和7年版防衛白書公表 我が国の安全保障、確固たる決意で臨むべき時

本日、令和7年版防衛白書が公表された。この白書は、刻々と変化する国際情勢と、それらが我が国の安全保障に与える影響を分析し、我々が今後進むべき道筋を示す羅針盤となるものである。

白書は、昨年に引き続き、東アジア情勢の厳しさを改めて指摘している。特定国による一方的な現状変更の試みや、核・ミサイル開発の進展は、地域の不安定要因として看過できない。また、サイバー空間や宇宙空間といった新たな領域における脅威も増大しており、従来の安全保障の枠組みだけでは対応しきれない現実を突きつけられている。

このような状況下、我が国が平和国家としての地位を維持し、国民の生命と財産を守るためには、断固たる安全保障政策の推進が不可欠である。防衛力の整備は、単に軍備を増強することではない。それは、いかなる脅威に対しても毅然とした態度で臨むための「抑止力」を高め、外交努力を実効性あるものとするための基盤である。

白書が示すように、我が国はこれまでも、専守防衛の理念のもと、平和憲法に則った安全保障政策を追求してきた。しかし、国際社会の安全保障環境は、過去の経験則だけでは語れないほど複雑化、多様化している。この現実を踏まえ、防衛力のあり方についても、柔軟かつ実効的な議論を深める必要がある。

特に、敵基地攻撃能力(反撃能力)の保有については、国民的理解を醸成しつつ、その運用についても慎重かつ着実な検討が求められる。これは、専守防衛の理念に反するものではなく、むしろ、相手に攻撃を思いとどまらせるための、より高度な抑止力の一環として位置づけられるべきである。

また、安全保障は防衛力のみにあらず。日米同盟を基軸としつつ、豪州、欧州諸国との連携を強化するなど、同盟国・同志国との協力関係を深化させることも重要である。多国間での協力体制を構築し、共通の課題に対して連携して取り組むことが、国際社会における日本の存在感を高め、結果として我が国の安全保障に資するのである。

防衛白書は、単なる現状分析にとどまらない。それは、我が国が未来に向けてどのような選択をすべきか、という問いを我々に投げかけている。変化を恐れず、しかし軽率になることなく、国民一人ひとりが自国の安全保障について関心を持ち、真剣に議論を深めていくことが、今、我々に求められている。確固たる決意をもって、我が国の平和と安全を守り抜いていく。そのための揺るぎない一歩を、今こそ踏み出すべき時である。


令和7年版防衛白書、本日公開!日本の安全保障の今と未来をわかりやすく解説,防衛省・自衛隊


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