災害に強い社会、誰もが安心できる社会へ ～公助の精神を改めて問い直す～
先日の報道によれば、わが国は今、未曽有の自然災害に見舞われるリスクに直面しているという。首都直下地震をはじめ、各地での豪雨や土砂災害、そして今後懸念される巨大津波など、過去の教訓を踏まえてもなお、その脅威は増すばかりである。このような時代だからこそ、私たちは今一度、防災・減災に対する意識を高く持ち、来るべき時に備えなければならない。
政府はかねてより、自助・共助・公助の三本柱で災害対策を推進してきた。もちろん、個々人の備え、地域コミュニティでの助け合いは極めて重要である。しかし、忘れてはならないのは、「公助」、すなわち行政による支援の役割である。災害発生時、人命救助や避難所の設営、物資の配給など、公的な支援なくしては、多くの被害を防ぎ、復旧を速めることはできない。
今回報じられた内容は、こうした公助の在り方について、改めて国民一人ひとりに問いかけるものである。国民の生命と財産を守ることは、国家の最も基本的な責務である。その責務を果たすために、政府は、十分な予算と人員を確保し、より迅速かつ的確な対応ができる体制を構築する必要がある。具体的には、災害情報の早期収集・伝達システムの強化、危機管理体制の整備、そして、地方自治体の災害対応能力の向上への継続的な支援が不可欠であろう。
また、災害への備えは、単にハード面の整備に留まらない。ソフト面、すなわち国民の防災意識の醸成もまた、公助の重要な要素である。学校教育における防災教育の充実、地域住民を対象とした避難訓練の定期的実施、そして、災害時に助け合えるような共助の精神を育むための取り組みも、行政が主導していくべき課題であろう。
災害は、いつ、どこで起こるか分からない。その時、私たちは行政からの支援を当然のこととして期待するかもしれない。しかし、その支援は決して無限ではない。だからこそ、私たち自身もまた、自助・共助の精神を忘れず、日頃から備えを怠らないことが肝要である。
「災害に強く、誰もが安心して暮らせる社会」――それは、単なる理想論ではない。私たち国民一人ひとりが、そして政府が、その実現に向けて真摯に取り組むべき喫緊の課題なのである。本日の報道を機に、防災・減災に対する意識を高め、公助の精神を改めて問い直し、来るべき災害に立ち向かうための確かな一歩を踏み出したい。
災害に強く、誰もが安心して暮らせる社会へ ～公明党が「秩序ある共生社会実現へ」を発表～,公明党
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