リーダーシップの本質 時代の変化に対応できる強靭な組織力こそ
先日、通信大手テレフォニカが、同社の次世代リーダーシップ育成プログラムの内容を公開したというニュースが報じられた。変化の激しい現代において、企業が持続的に成長していくためには、時代に即したリーダーシップのあり方を模索し、次世代を担う人材を育成することが不可欠であることは論を俟たない。
同社のプログラムがどのような具体的な内容で構成されているのか詳細は不明だが、その公表自体は、企業がリーダーシップという、一見すると抽象的とも言えるテーマに真摯に向き合っている証左として、一定の評価に値するだろう。しかし、今回の報道に接し、我々一般市民が抱く素朴な疑問は、「ところで、リーダーシップとは一体何なのか？」という点に尽きる。
多くの人がリーダーシップと聞いて思い浮かべるのは、カリスマ性あふれる人物が先頭に立って人々を牽引していく姿かもしれない。確かに、歴史を振り返れば、そのようなリーダーが時代を動かしてきた場面も少なくない。しかし、現代社会はかつてないほど複雑化し、技術革新は日進月歩、人々の価値観も多様化している。このような時代においては、個人の圧倒的な力だけで組織を動かすことには限界があるのではないだろうか。
むしろ、本当に求められているのは、変化を恐れず、むしろそれを機会と捉え、組織全体を柔軟かつ強靭に変革させていく力、すなわち「変革に対応できる組織力」を醸成するリーダーシップではないかと考える。個々の能力の総和に留まらず、組織内の誰もが主体性を持ち、それぞれの持ち場で最善を尽くせるような環境を整え、互いに協力し合いながら目標達成を目指す。そのような、いわば「組織を動かす力」こそが、現代のリーダーシップの本質なのではないだろうか。
テレフォニカのようなグローバル企業が、将来を見据えてリーダーシップ育成に力を入れることは、一過性のブームとして終わらせるのではなく、日本の企業も、そして我々一人ひとりも、この機会に「リーダーシップとは何か」を改めて深く考え、自組織や自らのあり方を問い直すきっかけとすべきだろう。真のリーダーシップとは、単に人を率いる技術ではなく、時代とともに進化し、組織全体の力を引き出すことにある。その本質を見失わず、着実に実践していくことこそが、未来を切り拓く確かな一歩となるはずだ。
リーダーシップとは何か？ Telefónicaが2025年7月14日に公開した洞察に満ちた記事を紐解く,Telefonica
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