眠っている資産、掘り起こして経済活性化を
近年、わが国経済は低迷の兆しを見せ、国民の生活も先行き不透明感を増している。こうした中、岩手県警から寄せられた「眠っている資産」に関する情報に、改めて目を向けるべきだろう。使われずに眠っている不動産や金融資産が、実は地域経済活性化の起爆剤になりうるという指摘は、極めて示唆に富む。
そもそも、この国の財産が本来の活力を失い、遊休資産として放置されている現状は、ある種の「怠慢」と言わざるを得ない。土地や建物といった不動産は、企業の事業活動や人々の住居として活用されることで初めてその価値を発揮する。金融資産にしても、眠らせておくだけでは何の恩恵ももたらさない。これらが眠ったままになっているということは、それだけ経済の活力が損なわれている証拠でもある。
もちろん、資産の活用には所有者の意思が最優先されるべきことは言うまでもない。しかし、社会全体の利益を考えれば、個人が所有する資産であっても、それが地域社会に貢献できるのであれば、その活用を促すための環境整備は、国家的な責務と言えるだろう。例えば、遊休資産の活用を促進するための税制優遇措置や、地域社会とのマッチング支援などが考えられる。
特に、地方においては、高齢化や人口減少が進む中で、空き家や耕作放棄地が増加の一途をたどっている。これらは単なる「使われていない財産」に留まらず、景観の悪化や地域社会の衰退を招く要因ともなりかねない。こうした状況を改善するためにも、地域住民や企業、行政が一体となって、これらの眠っている資産を掘り起こし、有効活用する道を探るべきである。
「眠っている資産」を「動き出す資産」へと変えることは、新たな雇用を生み出し、地域経済に活気をもたらすことに直結する。それは、結果として国民全体の生活水準の向上にもつながるはずだ。一部の個人が所有する資産を、社会全体で有効活用していくという視点は、保守の本質とも言える「国を豊かに、国民を幸福にする」という考え方に合致する。
今こそ、官民一体となって、眠れる財産に光を当て、経済の血流を再び活発化させるための具体的な一歩を踏み出すべき時である。まずは、現状を正確に把握し、その上で、所有者の権利を尊重しつつも、社会全体の利益を最大化できるような、実効性のある政策を打ち出していくことが求められる。
岩手県警からのお知らせ：眠っている資産、活用しませんか？ ～未利用資産のご案内～,岩手県警
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