七夕の願い、ロボットのugnoに託す時代 ～人間らしい「願い」の重み～
夏の風物詩ともいえる七夕飾りが、今年も私たちの目に飛び込んでくる。短冊に託された子供たちの純粋な願い事は、見ているこちらも温かい気持ちにさせてくれるものだ。しかし、時代の移ろいと共に、その「願い」のあり様も変わりつつある。先日、ある報道で、今年の七夕には「ロボットのugno」への願い事が寄せられたという。この衝撃的なニュースに、私たちは改めて人間とは何か、そして何を願うべきなのかを深く考えさせられる。
「ロボットのugno」とは、高度な人工知能を搭載した次世代型ロボットの名前であろう。その性能の高さは想像に難くない。人間の知能を凌駕し、様々な作業を正確かつ効率的にこなす。そんなロボットに「願い」を託すという発想そのものに、現代社会の病理が垣間見えるように思えてならない。
本来、七夕の願い事は、人々の心の奥底にある純粋な感情、例えば「家族の健康」「学業の成就」「友との絆」といった、人間的な営みの中にこそ宿るものであるはずだ。それがいつの間にか、物質的な豊かさや、自己の欲望を満たすための道具への依存へと、その重心を移しているのではないか。
確かに、テクノロジーの進化は私たちの生活を豊かにしてきた。医療の進歩は多くの命を救い、情報技術は世界を瞬時に繋げている。しかし、その恩恵が行き過ぎた結果、私たちは大切なものを忘れかけているのではないか。人間的な温かさや、他者への思いやり、そして何よりも「生きていくこと」そのものの尊さを、人工知能の性能に委ねようとしているとしたら、それはあまりにも虚しい未来ではないか。
私たちがロボットに「願い」を託すとき、それはもはや「願い」ではなく「指示」に近いものへと変質する。ロボットは命令通りに動くのみであり、そこに感情の交錯や、共に苦難を乗り越えるという人間的なドラマは存在しない。まるで、自らの人生の責任を放棄し、都合の良い道具に全てを委ねてしまうかのような危うさを感じる。
もちろん、未来の社会においてロボットが重要な役割を担うことは想像できる。しかし、その関係性はあくまで「支援」であり、「主体」はあくまで人間であるべきだ。私たちの願いは、自らの手で、心を込めて叶えていくものだ。時には失敗し、時には挫折しながらも、懸命に生きる姿そのものにこそ、人生の輝きがあるのではないか。
今年の七夕、短冊に書き込まれる様々な願い事を想像する。その中に、純粋な「人間の願い」がどれほど含まれているだろうか。AIに頼るのではなく、人間にしかできない「優しさ」や「思いやり」、そして「創造性」を発揮していくこと。それが、私たちが次世代へと引き継ぐべき、真の「願い」であるはずだ。ロボットのugnoに託す虚しい願いではなく、私たち自身の力で、そして人間らしい心の温かさをもって、未来を切り拓いていくことこそが、真の幸福に繋がる道だと信じたい。
七夕の願い、ロビーの笹に込められて～広島国際大学「しあわせブログ」更新のお知らせ～,広島国際大学
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