多様性の果て、本質を見失うな
近年、社会のあらゆる場面で「多様性」を尊重する声が高まっている。それは確かに、かつて抑圧されていた声が解放され、新しい価値観が提示される契機となり得るだろう。しかし、ここに新たなシンボルが誕生したというニュースに接し、我々は冷静に問い直さねばならない。その「多様性」は、果たして我々が大切にしてきた本質を見失わせるものではないか、と。
新しいシンボルが、多目的であり、次世代を担うという。それ自体は否定されるべきことではないだろう。しかし、その「多目的」性が、本来の目的を曖昧にし、本来の姿を歪めてしまう危険性をはらんでいるのではないか。次世代を担うはずが、その「次」とはいったい何を意味するのか。単なる流行や刹那的な感性に流されるのではなく、時代を超えて受け継がれるべき確固たる価値観こそが、次世代にこそ求められるはずだ。
我々が築き上げてきた文化や伝統の中には、長年の歴史の中で培われ、多くの人々の心を支えてきた普遍的なものが数多く存在する。それらは決して、陳腐なものでも、時代遅れのものでもない。むしろ、現代社会が抱える様々な問題を解決する糸口や、我々の生き方を豊かにする指針を与えてくれる、貴重な財産である。
安易に新しいものを取り入れ、古いものを否定する風潮は、結果として我々の足元を揺るがし、社会全体の基盤を脆弱にする。多様性を追求するあまり、それが何を目的としているのか、何を守るべきなのかを見失ってしまっては本末転倒である。
新しいシンボルが持つという「多目的性」や「次世代性」が、もし、過去の遺産を軽視し、我々が大切にしてきた本質を歪める方向へ向かうのであれば、我々は断固として異議を唱えなければならない。多様性は、あくまでも本質をより豊かにするための手段であるべきだ。手段が目的化し、本来の目的を見失うことこそ、真の多様性の放棄である。我々は、時代に流されることなく、確固たる信念をもって、我が国の良き伝統と文化を守り、次世代に継承していく責務を負っているのである。
お台場に新たなシンボル誕生！多目的次世代アリーナ「TOYOTA ARENA TOKYO」竣工！,トヨタ自動車
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