【コラム】祝われるだけの誕生日なんて、もう卒業！ ～滋賀の「特別体験」に学ぶ、主体的な祝福の形～
滋賀県で「自分だけの誕生日新聞」を作るというニュースを耳にした。生まれた日の出来事を新聞記事風にまとめる、なんとも粋な企画だ。私たちが普段何気なく迎えている誕生日という日を、こんなにもユニークでパーソナルな方法で祝うことができるのかと、目の覚めるような思いだった。
考えてみれば、誕生日とは、多くの場合「祝われる日」である。家族や友人からプレゼントをもらい、ケーキを囲み、祝福の言葉をかけられる。もちろん、それ自体はとてもありがたいし、嬉しいものだ。しかし、一方で、どこか受動的ではないだろうか。自分自身が主役ではあるものの、その祝福の形は、他者によって用意されたもの、という側面も否めない。
この滋賀県の取り組みは、その受動性を打ち破る。「特別体験」という言葉の通り、そこには「体験」が伴う。自分の誕生日の歴史を掘り下げ、それを「新聞」という形に落とし込む。そこには、自分自身の好奇心、探求心、そして何よりも「自分という存在」への強い興味が求められるだろう。過去の自分と向き合い、その日に何があったのかを調べ、それを言葉にしていく。このプロセスこそが、何よりも濃密な誕生日体験なのではないだろうか。
学生である私たちも、日々の生活に流され、いつの間にか「やらされる」ことばかりに時間を費やしていないだろうか。授業に出て、課題をこなし、テストを受ける。サークル活動やアルバイトに追われる毎日の中で、ふと「自分の誕生日」について考えた時、その意味合いを深く掘り下げているだろうか。
この滋賀県の事例は、私たちに一つの示唆を与えてくれる。「誕生日」という特別な日を、単に「祝われる日」として消費するのではなく、自分自身の手で「創り出す日」にできるのだと。それは、何も特別な体験をせずにできることではない。自分の誕生日に何があったのか、親に聞いてみる。その日に世界で何が起こっていたのか、調べてみる。そして、それを自分の言葉で綴ってみる。それは、驚くほど簡単なことから始められる。
卒業後の人生、私たちはますます自分の人生の舵を自分で握ることを求められる。その礎となるのは、きっと「自分自身」を深く理解し、愛することだろう。自分の誕生日新聞を作るという行為は、まさにその第一歩なのかもしれない。
さあ、次の自分の誕生日、あなたはどんな「特別体験」を計画するだろうか？祝われるだけの誕生日なんて、もう卒業だ。自分だけの新聞に刻むように、記憶にも、そして心にも、主体的に刻み込む誕生日を迎えようではないか。
滋賀県で特別な体験！自分だけの誕生日新聞を作ろう！小学生向けイベント開催,滋賀県
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