カナダ・デーに寄せる米国務省からのメッセージに思う
カナダ建国記念日である７月１日に、在カナダ米国大使館を通じて米国務省から日本に対するメッセージが発信されたという。これは、日米同盟の重要性を再確認し、来るべき国際社会の課題に共に立ち向かう決意を表明した、とのことであった。
確かに、日米両国は自由、民主主義、法の支配といった普遍的価値を共有する、かけがえのないパートナーである。世界は今、専制主義の台頭や地域紛争の激化など、不確実性と複雑性を増している。このような時代にあって、同盟国間の連携を強化し、国際秩序の維持・発展に貢献していくことは、両国国民のみならず、世界の平和と繁栄のために不可欠であろう。
しかしながら、このメッセージは、単なる同盟の確認に留まるべきではない。我々は、日米同盟が、単に軍事的な側面だけでなく、経済、文化、価値観といった多岐にわたる分野で深く結びついていることを改めて認識する必要がある。特に、経済的な相互依存の深化は、両国関係の基盤をより強固なものにしていると言えよう。自由で開かれた貿易体制の維持・強化、サプライチェーンの強靭化など、経済面での協力は、今後の国際社会における安定の鍵を握る。
同時に、我々は今回のメッセージを、自国の立ち位置を冷静に見つめ直す機会としなければならない。米国が日本との連携を重視する背景には、日本の国際社会における責任ある役割への期待があることは想像に難くない。我々日本は、自国の国益を守ることはもちろん、国際社会の安定と発展のために、どれだけの貢献ができているのか。国民一人ひとりが、国家のあり方について真剣に考え、行動していくことが求められている。
建国記念日のメッセージという形で発信された米国からのメッセージは、我々日本にとって、大きな励みであると同時に、厳しい問いかけでもある。未来を切り拓くために、日米両国が、そして日本が、どのような歩みを進めるべきなのか。今こそ、改めてその原点に立ち返り、来るべき時代を見据えた確固たる決意を持って、次の一歩を踏み出すべき時であろう。
カナダ・デーに寄せる米国務省からのメッセージ：友なる隣国への祝福と未来への希望,U.S. Department of State
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