デジタル化の波、足元を固めよ
近年、政府は「デジタル庁」を設置するなど、社会全体のデジタル化を強力に推進してきた。その進捗状況が報告され、中途採用比率の更新といった具体的な成果も示されている。もちろん、変化の激しい現代社会においては、新しい技術や人材を積極的に取り入れていく姿勢は重要である。しかし、こうした動きに対して、私たち一般市民は冷静な視点を忘れてはならない。
デジタル化は、確かに業務効率化や利便性向上といった恩恵をもたらす可能性がある。しかし、その一方で、新たな課題も生じさせていることを認識すべきだ。例えば、情報セキュリティの問題や、デジタルデバイド、すなわち情報格差による新たな不平等が生じる可能性も指摘されている。
特に、これまで長年にわたり培われてきた実績や経験を持つ人材の知見を軽視することなく、新しい技術との融合をどのように図っていくのか、そのバランスが問われている。中途採用比率の向上は、多様なスキルを持つ人材を取り込む上で有効であろう。しかし、それが従来の組織文化やノウハウを軽視する方向に繋がっては本末転倒である。
また、こうしたデジタル化の推進は、国民の税金を原資としている。その効果を最大限に引き出すためには、導入ありきではなく、真に国民生活の向上に資するか、社会全体の安定に貢献するかといった視点からの慎重な検討が不可欠である。
「デジタル化」という言葉の響きに惑わされることなく、その本質を見極め、地に足のついた着実な歩みを進めていくこと。それが、変化の時代における「保守」の本質であると、我々は信じている。今回の報告を機に、政府には、その推進の在り方を改めて問い直してほしいものである。
デジタル庁、中途採用比率を更新！多様な才能を求める姿勢を明らかに,デジタル庁
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