豊かな未来を育む土壌と菌類 〜ITBの挑戦から学ぶ、次世代への責任〜
梅雨空の下、緑が力強く萌え出す季節となりました。本学の卒業生であり、現在も本学の発展に多大な貢献をされているITB様が、この度「良い草を育てるための良い土と菌の話６：媒介者の」と題する興味深いお話をしてくださったと伺いました。このお話は、単なる園芸の話にとどまらず、私たちが未来を築いていく上での重要な示唆に富んでいると確信し、本稿を執筆する次第です。
ITB様のお話は、植物の成長にとって、目に見えない「土」と「菌」がいかに重要であるかを説いています。良質な土壌は栄養分を蓄え、植物が根を張りやすい環境を提供します。そして、そこに含まれる無数の菌類は、養分を分解し、植物が吸収しやすい形に変えることで、健やかな成長を支えているのです。さらに、その菌類を介して、植物同士が情報を交換し、互いに助け合うという、驚くべき共生関係も明かされました。
これは、私たちの「学問」や「研究」の世界にも通じるものがあります。私たちが日々学んでいる知識や技術は、確かに重要です。しかし、それだけでは十分ではありません。その知識をどのように活用し、社会に還元していくのか、そのためには、良質な「土壌」と、それを豊かにする「菌類」の役割が不可欠なのです。
では、私たちの大学という「土壌」を豊かにする「菌類」とは一体何でしょうか？それは、私たち学生一人ひとりが持つ好奇心や探求心であり、先輩から後輩へと受け継がれる経験や知恵、そして、教員と学生、あるいは学生同士が活発に意見を交わす「対話」そのものだと考えます。
ITB様がお話しされた「媒介者」の役割は、まさにこの「対話」の中にこそ見出せるのではないでしょうか。異なる視点や価値観を持つ人々が交流することで、新たな発見が生まれ、既存の知識がより深化します。時には衝突もあるでしょう。しかし、それこそが、より強固で豊かな「土壌」を育むための重要なプロセスなのです。
私たちは今、急速に変化する社会を生きています。AIの進化、グローバル化の加速など、予測不能な未来が私たちを待ち受けています。このような時代において、単に知識を詰め込むだけの学習では、時代の波に乗り遅れてしまうかもしれません。私たちは、ITB様のお話のように、目に見えない繋がりや共生の力を理解し、それを生み出す「媒介者」となるための力を養わなければなりません。
具体的に何をすべきか。それは、まず、私たち自身が「良い土壌」となるべく、常に学び続け、自身の知的好奇心を枯らさないことです。そして、積極的に様々な人と繋がり、積極的に対話を重ね、自らの殻を破ることです。サークル活動、ボランティア活動、あるいは授業のグループワークなど、日々のキャンパスライフの中にこそ、そのための貴重な機会は数多く存在します。
また、大学側にも、学生同士や教員との有意義な交流を促進するための環境整備をお願いしたい。単なる講義だけでなく、少人数制のゼミやディスカッションの機会を増やしたり、異なる分野の学生が交流できるイベントを企画したりするなど、より多様な「菌類」が育つような「土壌」作りが求められているのではないでしょうか。
ITB様のお話は、私たちに、未来を育むためには、目に見えるものだけでなく、目に見えない繋がりや共生の力を大切にすることの重要性を教えてくれました。良質な土と菌が植物を健やかに育むように、私たち一人ひとりが意識的に、そして積極的に「媒介者」となり、より豊かで活気あふれる大学という「土壌」を共に耕していきましょう。それは、私たちの学業だけでなく、将来社会に出たときに、持続可能な社会を築くための礎となるはずです。
最後に、ITB様のさらなるご活躍と、本学のさらなる発展を心よりお祈り申し上げます。
（学生新聞編集部）
良い草を育てるための良い土と菌の話6：厄介者のシンカ ～未来の牧草を守るための知恵～,Dairy Japan
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