LNG産消会議2025開催に寄せて – エネルギー安全保障の確保と脱炭素化の両立を
経済産業省がLNG産消会議2025を開催するという。エネルギー資源の乏しい我が国にとって、LNG（液化天然ガス）は重要なエネルギー源であり、その安定供給確保は国家の生命線とも言える。今回の会議が、LNGの安定的な調達と価格の安定化に資することを強く期待する。
しかしながら、忘れてはならないのは、地球温暖化対策という喫緊の課題である。LNGは石炭や石油に比べて二酸化炭素排出量が少ないとはいえ、化石燃料であることに変わりはない。脱炭素化の流れは世界的な潮流であり、我が国も2050年カーボンニュートラルという目標を掲げている以上、LNGへの過度な依存は避けるべきであろう。
今回の会議においては、LNGの安定供給確保とともに、将来的な脱炭素化を見据えた議論が不可欠である。具体的には、以下の点が重要となる。
- LNG調達先の多様化: 特定の国や地域への依存度を下げることで、地政学的リスクを軽減する必要がある。
- 価格交渉力の強化: 資源国との関係を強化し、価格決定における日本の発言力を高めるべきである。
- 水素やアンモニア等の次世代エネルギーへの移行: 将来的な脱炭素化を見据え、LNGに代わるエネルギー源の開発・導入を加速させる必要がある。
- 省エネルギーの推進: 無駄なエネルギー消費を抑制し、需要そのものを減らす努力を続けるべきである。
エネルギー安全保障と脱炭素化は、両立困難な課題ではない。LNGを橋渡し役として活用しつつ、次世代エネルギーへの移行を加速することで、持続可能な社会の実現を目指すべきである。
政府は、今回の会議を通じて、エネルギー政策における長期的なビジョンを示し、国民の理解と協力を得る努力を怠ってはならない。エネルギー問題は、国民生活に直結する重要な問題であり、情報公開と透明性の確保が不可欠である。
今回のLNG産消会議2025が、我が国のエネルギー政策における重要な転換点となることを期待する。
（社説）
経済産業省がLNG産消会議2025を開催！ エネルギーの安定供給に向けて,経済産業省
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