揺籃（ようらん）から未来の星を ～JOC国際人材育成アカデミーに期待する～
2025年6月21日、日本オリンピック委員会（JOC）が「国際人材育成アカデミー」を開講するという。未来のオリンピアンを育成するという壮大な目標を掲げたこの試みは、日本のスポーツ界にとって、まさに希望の灯火と言えるだろう。
近年、我が国のスポーツ界は、目覚ましい発展を遂げ、国際舞台での活躍も目覚ましい。しかし、その一方で、選手育成の現場においては、依然として旧態依然とした指導方法が残存し、国際的な視点や多様性への理解が不足しているという指摘も少なくない。
国際人材育成アカデミーは、こうした課題を克服し、世界で活躍できる人材を育成するために設立されたという。語学力や異文化理解といった国際的な素養に加え、リーダーシップやコミュニケーション能力といった人間力も涵養（かんよう）するという。これは、単に競技力向上を目指すだけでなく、人間教育という観点からも、極めて重要な取り組みである。
スポーツは、青少年の健全な育成に不可欠な要素であり、社会全体に活力と希望を与える。オリンピックという舞台は、その象徴であり、勝利を目指す過程で培われる精神力や人間性は、社会においても大いに役立つはずだ。
しかしながら、昨今のスポーツ界においては、勝利至上主義が蔓延（まんえん）し、選手の心身を疲弊させるような過度な練習や、指導者のパワハラといった問題も後を絶たない。国際人材育成アカデミーにおいては、こうした負の側面を排除し、選手の自主性や主体性を尊重した、新しい時代の育成モデルを確立することが求められる。
我々は、JOCが国際人材育成アカデミーを通じて、未来のオリンピアンを育成するだけでなく、スポーツ界全体の健全な発展に貢献することを強く期待する。次世代を担う若者たちが、このアカデミーで学び、世界を舞台に活躍する姿を、国民一同が心待ちにしている。
未来のオリンピアンを育てる！JOC国際人養成アカデミー、令和7年度も開講決定！,JOC
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