足利市における消防手続きのデジタル化推進を注視し、全国への展開を視野に入れた制度設計を急げ
足利市が消防関連手続きのオンライン化を推進することは、住民サービスの向上と行政効率化に資するものであり、大いに評価できる。しかしながら、デジタル化はあくまで手段であり、その導入にあたっては、以下の点に留意し、慎重に進める必要がある。
第一に、情報セキュリティの確保である。消防関連情報は、個人のプライバシーに関わる情報を含む。オンライン化によって情報漏洩のリスクが高まる可能性を考慮し、強固なセキュリティ対策を講じる必要がある。特に、中小企業や高齢者など、情報セキュリティに関する知識や対策が十分でない層への支援は不可欠である。
第二に、デジタルデバイドへの対応である。オンライン手続きが苦手な高齢者や、インターネット環境が整っていない地域住民への配慮が欠かせない。窓口での対応を継続し、デジタルに不慣れな人々が取り残されることのないよう、きめ細やかなサポート体制を構築する必要がある。
第三に、全国的な標準化の検討である。足利市の取り組みは、全国の自治体にとって参考となる事例となりうる。しかし、各自治体が独自にシステムを構築した場合、相互運用性が損なわれ、かえって行政コストが増大する恐れがある。国主導で標準化されたシステムを構築し、全国の自治体が効率的に導入できるよう支援すべきである。
消防行政は、国民の生命と財産を守る重要な役割を担っている。デジタル化によってその機能が損なわれることのないよう、関係各省庁は連携し、万全の対策を講じる必要がある。今回の足利市の取り組みを契機に、全国の消防行政におけるデジタル化を加速させ、国民の安全・安心に貢献することを期待する。
足利市からのお知らせ！消防関係の手続きがもっと便利になります！,足柄市
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