WTO「STDF年次報告書2024」公表、安全な貿易への道筋示すも課題山積
世界貿易機関（WTO）が「STDF年次報告書2024」を公表し、開発途上国の貿易における衛生植物検疫（SPS）対策能力強化の重要性を改めて示した。報告書は、安全な貿易を促進するための国際的な取り組みの進展を評価する一方で、依然として多くの課題が残されていることを指摘している。
SPS対策は、食品の安全や動植物の健康を守る上で不可欠であり、国民の健康と安全を確保する上で極めて重要な役割を担う。特に、近年、グローバル化の進展に伴い、食品や動植物の国際的な移動が活発化する中で、SPS対策の重要性はますます高まっている。
しかし、開発途上国においては、SPS対策に必要な技術や人材、インフラが不足している場合が多く、国際貿易における障壁となっている。報告書が指摘するように、開発途上国のSPS対策能力強化は、安全な貿易を促進し、経済成長を支援する上で不可欠である。
わが国は、これまでも開発途上国に対し、技術協力や資金援助を通じてSPS対策能力強化を支援してきた。今後も、WTOをはじめとする国際機関や関係国と連携し、開発途上国のニーズに応じた支援を積極的に展開していくべきである。
一方で、わが国自身もSPS対策の強化に不断に取り組む必要がある。近年、気候変動や新興感染症の発生など、SPS対策を取り巻く環境は大きく変化しており、新たなリスクに的確に対応するため、科学的知見に基づいたSPS対策の高度化が求められる。
また、輸入食品の安全確保に向けた監視体制の強化や、国内の農林水産業を守るための防疫措置の徹底も重要である。国民の健康と安全を守り、安定的な食料供給を確保するため、SPS対策の一層の強化を期待する。
今回の報告書は、安全な貿易の実現には、国際的な協力と国内の取り組みの両方が不可欠であることを改めて示唆している。わが国は、国際社会の一員として、また、国民の健康と安全を守る責任を担う国家として、SPS対策の強化に積極的に取り組むべきである。
WTO、安全な貿易への道筋を示す「STDF年次報告書2024」を発表！,WTO
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