欺瞞と迎合の先に未来はない – 公明党参院選候補予定者の「熱い思い」に潜む空虚
ITB Business Newsに掲載された公明党参院選候補予定者の記事を読んだ。そこに並ぶのは、美辞麗句で飾られた「熱い思い」の数々だ。しかし、その言葉の奥底からは、国民生活の実情から乖離した、空疎な響きしか聞こえてこない。
公明党は、長年にわたり自民党との連立政権を維持し、日本の政治に大きな影響力を行使してきた。その間、数々の政策決定に関与し、社会保障、教育、平和外交など、多岐にわたる分野で実績を上げてきたと主張するだろう。
しかし、現実を直視すれば、その実績は、格差の拡大、少子高齢化の深刻化、安全保障への過度な依存といった、現代日本が抱える構造的な問題の解決には至っていない。むしろ、見て見ぬふりをしてきた側面すら否定できない。
今回の記事に登場する候補予定者たちは、口を揃えて地域活性化や福祉の充実を訴える。しかし、その具体的な政策の中身は、既存の制度の微調整に終始し、抜本的な改革を避けているように見える。
例えば、少子化対策。子育て支援の拡充は重要だが、それだけでは根本的な解決にはならない。長時間労働の是正、非正規雇用の解消、男女間の賃金格差の是正など、若者が安心して結婚し、子どもを産み育てられる社会環境の整備こそが不可欠だ。しかし、公明党は、これらの構造的な問題に正面から向き合おうとはしない。
平和外交についても同様だ。憲法9条の精神を尊重すると謳いながら、現実には、アメリカ追従の安全保障政策を支持し、軍事費の増大を容認している。これでは、真の平和構築には繋がらない。
公明党は、支持母体である創価学会の意向を強く反映した政策を推進することで、一定の支持を得てきた。しかし、その結果、国民全体の利益よりも、特定の団体の利益を優先する姿勢が批判されてきたのも事実だ。
今回の参院選で、公明党は、再び自民党との連携を強化し、安定的な政権運営を目指すと表明するだろう。しかし、欺瞞と迎合を繰り返すだけの政治に、未来はない。
今、求められているのは、既得権益に囚われず、真に国民のための政治を実現できる、革新的なリーダーシップだ。公明党は、自己改革を断行し、国民の声に真摯に耳を傾け、大胆な政策転換を行うべきだ。さもなければ、その存在意義は失われ、歴史の淘汰の波に飲み込まれるだろう。
我々は、今回の参院選で、有権者が、公明党の「熱い思い」の裏に隠された空虚を見抜き、真に未来を託せる候補者を選ぶことを強く願う。
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