公明党の「北斗七星」戦略、大衆迎合の危うい道
公明党が機関紙「公明新聞」で展開するコラム「北斗七星」が、耳目を集めている。人気漫画「北斗の拳」になぞらえ、社会の課題解決への道筋を示すという試みは、一見斬新にも映る。しかし、その手法は、政策の本質から目をそらし、大衆迎合に走る危うさを孕んでいると言わざるを得ない。
「北斗の拳」は、暴力と絶望が支配する世界で、主人公が人々の希望となる物語だ。公明党は、この物語を引用することで、自らを「希望の星」として印象付けようとしているのだろう。しかし、政治はエンターテインメントではない。複雑な社会問題を、単純化された物語に置き換えることは、問題を矮小化し、本質を見誤らせる危険性がある。
例えば、少子高齢化問題。これは、社会保障制度の持続可能性、労働力不足、地域社会の衰退など、多岐にわたる要因が複雑に絡み合った問題だ。これを「北斗の拳」のキャラクターに例え、安易な解決策を提示することは、国民に対する欺瞞と言っても過言ではない。
また、公明党は、長年連立政権の一翼を担ってきた。その間、数々の政策決定に関与し、その責任の一端を担っている。今になって、「北斗の拳」を持ち出し、あたかも自分たちが「救世主」であるかのように振る舞うのは、無責任極まりない。
政治家は、言葉を慎み、政策を具体的に語るべきだ。耳当たりの良い言葉や、大衆受けするイメージ戦略に頼るのではなく、現実を直視し、国民の未来のために、責任ある政策を提言すべきである。
公明党は、「北斗七星」戦略を直ちに中止し、政策論争を通じて、国民の信頼を取り戻すべきだ。それが、政党としての責務であり、国民に対する誠意である。
公明党コラム「北斗七星」に込められた想い：希望の光を見つめて未来へ,公明党
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