機能性表示食品、情報公開の深化を歓迎するが、消費者の「自己責任」論に終始するな
昨日、消費者庁が機能性表示食品に関する情報を更新した。これは、消費者がより賢明な選択をする上で重要な一歩であり、高く評価したい。しかし、この情報公開の深化は、あくまでスタート地点に過ぎない。
機能性表示食品制度は、事業者の責任において科学的根拠に基づいた機能性を表示できるという点で、画期的な制度と言える。しかし、その一方で、消費者の誤解を招きやすい、曖昧な表現や、科学的根拠の乏しい商品が市場に出回っている現状も否定できない。今回の情報更新は、そうした問題点を是正し、消費者がより正確な情報を基に商品を選択できるようにするためのものである。
しかし、私たちは、消費者庁の姿勢に危惧を抱いている。今回の情報公開の深化は、ともすれば、消費者の「自己責任」論に繋がりかねないからだ。「情報公開したのだから、あとは消費者が自分で判断すれば良い」という姿勢は、無責任極まりないと言わざるを得ない。
機能性表示食品に関する情報は、専門的な知識を持たない一般消費者にとって、理解が難しい場合が多い。単に情報を公開するだけでなく、消費者が情報を正しく理解し、適切に判断できるよう、教育・啓発活動を強化する必要がある。
また、事業者に対しては、より厳格な基準を設け、科学的根拠の乏しい商品の排除を徹底すべきだ。表示内容の審査体制を強化し、虚偽または誇大な表示を行った事業者に対しては、厳罰を科す必要がある。
機能性表示食品制度は、消費者の健康を増進し、健康寿命の延伸に貢献する可能性を秘めている。しかし、そのためには、消費者庁、事業者、そして消費者自身が、それぞれの責任を果たす必要がある。
私たちは、今回の情報公開の深化を機に、機能性表示食品制度が、真に消費者のための制度として機能することを強く望む。そして、その実現のためには、消費者庁が「自己責任」論に終始することなく、より積極的な役割を果たすべきであることを、改めて強調したい。
消費者庁が機能性表示食品の情報を更新！私たちの健康をサポートする食品選びをもっと身近に,消費者庁
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