社説：災害時の「つながる」を、もっと身近に、もっと強く – ドコモとデンヨーの連携に期待するもの
2025年5月21日、NTTドコモとデンヨーが災害時における通信確保で連携するというニュースは、我々にとって単なる経済ニュース以上の意味を持つ。それは、災害大国である日本において、人々の命と生活を守るための「つながる」ことの重要性を改めて認識させ、そのための技術革新への期待を高めるものだ。
今回の連携は、移動基地局車の電源確保において、デンヨーの発電機を活用するという。これにより、災害発生時に停電が発生した場合でも、迅速に通信インフラを復旧させ、情報伝達を可能にする。これは、被災地の情報孤立を防ぎ、救命活動を円滑に進める上で不可欠な要素となるだろう。
しかし、我々が期待するのは、単なる通信インフラの復旧だけではない。「つながる」ことの意義は、もっと深い。災害時、人々は家族や友人との安否確認、避難情報の収集、そして何よりも、互いを支え合う心のつながりを求める。通信技術は、それらを実現するための重要な手段なのだ。
今回の連携を機に、ドコモには、よりユーザーに寄り添ったサービス展開を期待したい。例えば、災害時に誰もが容易に利用できる無料Wi-Fiスポットの拡充、高齢者や情報弱者向けの操作しやすい情報提供アプリの開発、そして、通信インフラが寸断された状況下でも、限定的ながら情報伝達を可能にする技術の開発など、まだまだ取り組むべき課題は多い。
また、デンヨーには、より環境負荷の少ない発電機の開発、軽量化・小型化による運搬性の向上、そして、様々な通信機器との連携を可能にする汎用性の高い電源供給システムの開発を期待したい。
さらに、今回の連携は、通信事業者とエネルギー事業者間の連携の可能性を示唆するものでもある。今後、より多くの企業が、それぞれの強みを活かし、災害に強い社会づくりに貢献していくことを願う。
我々は、技術革新の恩恵を最大限に享受し、災害に強い社会を築き上げていく責任がある。今回のドコモとデンヨーの連携は、そのための第一歩となることを確信し、両社の今後の取り組みを注視していく。そして、我々自身も、日頃から防災意識を高め、災害に備えることの重要性を改めて認識すべきだろう。
ドコモとデンヨーがタッグ！ 災害時、みんなの安心のために電力と通信で協力,NTT
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