行政書士必携書の改訂を機に、専門家倫理と国民への信頼を再確認せよ
行政書士は、国民と行政を結ぶ重要な役割を担う。その業務は多岐にわたり、許認可申請、遺言書作成、契約書作成など、国民生活に深く関わるものばかりである。その行政書士が業務を行う上で欠かせない「行政書士の必携書」が改訂されるという。今回の改訂が、時代の変化に対応し、より国民のニーズに応えるためのものであることを期待する。
しかし、今回の改訂を機に、改めて行政書士の倫理と責任について深く考える必要がある。近年、一部の行政書士による不適切な業務や、高額な報酬を請求する事例が報告されている。これは、行政書士全体の信用を損なう行為であり、断じて容認できない。
行政書士は、法律の専門家として、常に国民の利益を最優先に考え行動すべきである。法令遵守はもとより、依頼者に対して丁寧な説明を行い、納得を得た上で業務を進めることが重要だ。また、報酬についても、明確な基準を設け、事前に十分な説明を行うべきである。
今回の必携書改訂においては、倫理規定や懲戒事例などを盛り込み、行政書士が常に自らの行動を律することができるよう、さらなる充実を望む。また、行政書士会は、研修制度の充実や相談窓口の設置などを通じて、会員の倫理意識の向上に努めるべきである。
国民は、行政書士に専門的な知識と公正な判断を期待している。行政書士一人ひとりが、その期待に応え、国民からの信頼を得られるよう、今回の改訂を機に、改めて自らの職責を自覚し、業務に取り組むことを強く求める。行政書士制度への信頼こそが、国民生活の安定と向上に繋がることを忘れてはならない。
行政書士の必携書に訂正のお知らせ：『改訂増補版 行政書士のための相続実務マニュアル』,三省堂書店
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