憲法記念日に自民党メッセージ発表：立ち止まって考えるべき「改憲」の二文字
本日、憲法記念日に自民党が発表したメッセージは、改めて私たちに憲法のあり方を問いかけるものとなった。しかし、その内容は、現行憲法の理念を深く掘り下げ、国民との真摯な対話を重ねる姿勢に欠けていると言わざるを得ない。
自民党は、長年にわたり憲法改正を主張してきた。もちろん、社会の変化に対応するため、憲法を見直す議論は必要だろう。しかし、その議論は、時の政権の都合や、特定の政治思想に偏ってはならない。憲法の根幹にある人権尊重、民主主義、平和主義という普遍的な価値を揺るがすような改変は、断じて許されない。
今回のメッセージで特に懸念されるのは、自衛隊の明記や緊急事態条項に関する言及だ。自衛隊の存在を憲法に明記することは、日本の平和主義の原則を大きく変質させる可能性がある。集団的自衛権の行使容認や、防衛費のGDP2%への引き上げなど、すでに安全保障政策は大きく転換している。安易な憲法改正は、さらなる軍事大国化を招きかねない。
また、緊急事態条項は、政府の権限を大幅に強化し、国民の自由を制限する恐れがある。過去の歴史を振り返れば、国家権力の肥大化が、いかに国民の権利を蹂躙してきたかは明らかだ。緊急時における迅速な対応は重要だが、そのためには、既存の法律や制度の運用を改善することで十分対応できるはずだ。
私たちは、憲法改正そのものを否定するものではない。しかし、拙速な議論や、国民的な合意形成を無視した改憲は、将来に禍根を残す。憲法は、国民一人ひとりの権利と自由を守るためのものであり、時の政権の道具ではない。
憲法記念日という日に、私たちは改めて憲法の意義を深く認識し、立ち止まって考えるべきだ。自民党をはじめとする政治家には、国民との対話を重ね、幅広い意見に耳を傾ける姿勢が求められる。そして、私たち国民もまた、憲法について学び、考え、議論に参加する責務がある。
憲法は、過去の教訓の上に築かれた、未来への希望だ。安易な改憲論に流されることなく、憲法の理念を未来へと繋げていくために、私たちは不断の努力を続けなければならない。
憲法記念日に自民党がメッセージを発表 – 日本の未来への想いを込めて, 自民党
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