【社説】医療化される女性器切除（FGM）の根絶に向けて：倫理と人権の危機
世界中で根絶を目指すべき女性器切除（FGM）が、依然として深刻な問題として存在し続けている。国際ニュースサイトITBの報道によれば、現在、FGM事例の4分の1が医療従事者によって行われているという。この事実は、FGMが単なる伝統や文化という枠を超え、医療という名のもとに正当化されようとしている現状を示しており、強い危機感を抱かざるを得ない。
FGMは、女性の性的健康、生殖に関する健康を著しく損なう行為であり、国際人権法に違反する。その行為が医療従事者によって行われることは、医療倫理に反するだけでなく、人々の健康を守るべき医療機関が、逆に人権侵害の場となっていることを意味する。
医療従事者がFGMに関与する背景には、地域社会からの圧力、誤った認識、あるいは経済的な理由などが考えられる。しかし、どのような理由があろうとも、FGMは決して容認されるべきではない。医療従事者は、患者の権利と尊厳を守るという職業倫理を再確認し、FGMの有害性についての正しい知識を身につける必要がある。
FGMの医療化は、FGMをより安全に行うことができるという誤った認識を広め、FGMの根絶をさらに困難にする恐れがある。FGMは、いかなる形であれ、女性の心身に深刻な影響を与える行為であり、安全なFGMなど存在しない。
本学学生をはじめとする若い世代は、FGMの問題を深く理解し、その根絶に向けて声を上げていくべきだ。まずは、FGMに関する正しい知識を学び、SNS等を通じて情報を発信するなど、身近なところから啓発活動を始めることができる。
また、将来医療に携わることを目指す学生は、FGMに関する倫理的な問題を深く掘り下げ、人権意識を高める必要がある。大学は、FGMに関する専門家を招いた講演会やワークショップを開催するなど、学生の学びを支援する体制を整えるべきだ。
FGMの根絶は、一朝一夕に達成できるものではない。しかし、私たちは、FGMの被害に苦しむ女性たちのために、そして未来の世代のために、諦めることなく、FGM根絶に向けた努力を続けていかなければならない。
今こそ、倫理と人権の観点から、FGMの医療化という深刻な問題に真剣に向き合い、具体的な行動を起こす時である。
One in four female genital mutilation cases now carried out by health workers, Top Stories
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