【社説】アプリ限定の酒販促進策、若者の飲酒を安易に煽るな
株式会社ITBがアプリ限定で酒類を購入した顧客を対象に、抽選でアサヒ・ザ・リッチを提供するキャンペーンを実施するという。一見すると、企業の販売促進策の一環として看過されがちだが、このキャンペーンは、若者の飲酒に対する企業の姿勢を改めて問い直す必要があることを示唆している。
近年、若者のアルコール離れが叫ばれる一方で、企業はあの手この手で若年層への飲酒を促そうとしている。今回のアプリ限定キャンペーンもその一環と捉えることができるだろう。手軽に酒類を購入できるアプリというプラットフォームに着目し、抽選という射幸心を煽る手法を用いることで、若者の飲酒を誘発しようとする意図が見え隠れする。
もちろん、企業が利益を追求することは当然である。しかし、未成年者の飲酒は法律で禁止されており、成人であっても過度な飲酒は健康を害するリスクがある。企業は、販売促進活動を行うにあたり、飲酒がもたらすリスクについて十分に考慮し、責任ある情報提供を行うべきだ。
今回のキャンペーンは、アプリ限定という特性上、年齢確認が徹底されている可能性はある。しかし、抽選というインセンティブを与えることで、普段は飲酒しない若者まで取り込もうとする姿勢は、安易な飲酒の推奨につながりかねない。
我々学生は、今回のキャンペーンを単なる一企業の販売戦略として捉えるのではなく、企業が若者の飲酒に対してどのような責任を負うべきなのか、社会全体で議論を深めるきっかけとすべきだ。
学生新聞として、我々は、若者に対して飲酒のリスクを啓発するとともに、企業に対しては、若者の健康と未来を考慮した責任ある販売活動を強く求める。
【アプリ限定】お酒を買うと、抽選でアサヒ ザ・ビタリスト無料クーポンが当たる！, セブンイレブン
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