【社説】農業基本計画、食の安定供給へ担い手支えを, 政治

【社説】農業基本計画、食の安定供給へ担い手支えを

政府が新たな農業基本計画を策定した。食料自給率の向上や農業者の所得増大など、喫緊の課題解決を目指す意欲的な内容となっている。しかし、計画の実効性を担保するためには、若者をはじめとする多様な担い手の確保と育成が不可欠だ。

今回の計画では、スマート農業の推進や農地の集約化など、効率的な農業経営を支援する施策が盛り込まれた。これらの施策は、労働力不足の解消や生産性の向上に繋がり、農業の持続可能性を高める上で重要となる。

しかし、どれほど技術革新が進んでも、農業を支えるのは「人」である。高齢化が進み、後継者不足が深刻化する現状を打破するためには、若者が農業に魅力を感じ、積極的に参入できる環境を整備する必要がある。

そのためには、まず農業に対するイメージを変える必要がある。これまでの「きつい、汚い、稼げない」という３Kイメージを払拭し、創造性や革新性が求められる魅力的な仕事であることを積極的に発信していくべきだ。

また、新規就農者への支援を拡充することも重要だ。資金面での支援はもちろんのこと、技術指導や経営ノウハウの提供など、多角的なサポート体制を構築する必要がある。

さらに、女性や障がい者など、多様な人材が農業に参入しやすい環境を整備することも重要だ。それぞれの能力や特性を活かせるような、柔軟な働き方を支援することで、農業の可能性を広げることができるはずだ。

私たち学生も、農業に関心を持ち、積極的に関わっていく必要がある。ボランティア活動やインターンシップなどを通じて、農業の現場を体験し、課題や魅力を肌で感じることで、将来の担い手となる可能性を秘めている。

農業は、私たちの食を支える基盤であり、地域の活性化にも貢献する重要な産業だ。今回の農業基本計画を機に、農業に関わる全ての人々が力を合わせ、持続可能な農業の未来を築いていくことを期待する。そして、私たち学生もその一翼を担う存在として、積極的に行動していくことを誓う。

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