【社説】宮古岩泉短角・あか牛繁殖部会設立総会に寄せて – 地域資源の活用と持続可能な畜産の未来
先日、宮古岩泉短角・あか牛繁殖部会設立総会が開催された。地域に根ざした畜産の振興は、食料自給率の向上、地域経済の活性化、そして何よりも国土保全に繋がる重要な取り組みである。今回の部会設立は、関係者の皆様の熱意と努力の賜物であり、心より敬意を表したい。
短角牛やあか牛は、日本の風土に適応した貴重な在来種であり、その価値が見直されている。これらの牛は、放牧に適しており、耕作放棄地の活用や環境負荷の低減にも貢献できる。高齢化が進む中山間地域において、これらの牛の飼育は、新たな雇用を生み出し、地域に活力を与える可能性を秘めている。
しかしながら、畜産を取り巻く環境は依然として厳しい。飼料価格の高騰、後継者不足、そしてグローバル化の波など、多くの課題が山積している。今回の部会設立を機に、関係機関が連携を強化し、これらの課題に真摯に向き合い、解決策を講じていく必要がある。
特に、若い世代が畜産業に魅力を感じ、積極的に参入できるような環境整備が不可欠である。そのためには、安定的な収入の確保、技術支援、そして何よりも誇りを持てる仕事としての認識を醸成することが重要である。
また、消費者への情報発信も重要である。短角牛やあか牛の美味しさ、安全性、そして環境への配慮といった魅力を積極的に伝え、消費者の理解と支持を得ることが、持続可能な畜産の発展に繋がる。
我々は、今回の部会設立を契機に、地域資源を最大限に活用し、持続可能な畜産の未来を切り拓くことを期待する。そして、その過程において、地域社会全体が一体となり、知恵と力を結集していくことを強く望む。
（終）
《宮古》宮古岩泉短角・あか牛繁殖部会設立総会が開催されました, いわてアグリベンチャーネット
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