監視は「抑止」か、「抑圧」か？ Coopminefiの監視制度延期が問う、自由と安全の境界線
大学生活が、かつての自由闊達なものから、いつの間にか「監視」の網にかかりつつある。そんな懸念を抱かせるニュースが、我々の身近なキャンパスから飛び込んできた。ITB（国際テクノロジービジネス大学）が導入を予定していた「Coopminefi」なる監視制度の施行延期が発表されたのだ。この制度は、学生の行動を記録・分析し、「安全」や「学術的発展」を目的とするという。しかし、その実態は、学生のプライバシーを脅かし、自由な発想を萎縮させる「監視社会」への一歩ではないか、と学生新聞として警鐘を鳴らしたい。
大学は、知識を深め、多様な価値観に触れ、そして何よりも「自由な発想」を育む場であるべきだ。もちろん、大学当局が学生の安全を、そして学術環境の健全な維持を願う気持ちは理解できる。しかし、その手段として、一人ひとりの行動をデータ化し、監視下に置くというアプローチは、あまりにも強制的で、時代錯誤と言わざるを得ない。
Coopminefiの施行延期は、学内でもこの制度に対する懸念の声が少なからず存在することの表れだろう。学生の意見に耳を傾け、制度のあり方を見直す機会が与えられたことは、不幸中の幸いである。しかし、問題はこれで解決したわけではない。延期されただけで、制度そのものの「必要性」や「妥当性」が完全に否定されたわけではないのだ。
我々学生は、この機会に改めて「監視」と「安全」の関係性について深く考える必要がある。監視は、確かに一定の抑止力にはなるかもしれない。しかし、それは「安全」という名の「抑圧」ではないだろうか。学生一人ひとりが、常に誰かに見られている、評価されているという意識を持つことで、自主性や創造性は失われていく。本来、大学が育むべきは、自ら考え、自ら行動し、その結果から学ぶ力であるはずだ。
大学当局には、今回の延期を単なる一時しのぎとせず、真摯に学生の声に耳を傾け、監視ではなく、学生の主体性を尊重し、信頼に基づいた学内環境の構築を目指してほしい。学生が安心して学び、自由に議論できる場があってこそ、真の学術的発展が生まれる。
監視の目ではなく、互いを尊重し、信頼し合える関係性こそが、大学をより豊かに、そして安全な場所にするのではないか。我々学生新聞は、これからも学生の自由と権利を守るために、臆することなく声を上げ続けていく。Coopminefiの行方だけでなく、大学が目指すべき「自由と安全」のあり方について、共に議論を深めていくことを切に願う。
ニュース記事：COOPMINEFIの監督規定が廃止に – 官庁職員協同組合に何が起こる？,economie.gouv.fr
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