続く物価上昇、未来への警鐘――若者の声なき声を聞け
8月の消費者物価指数が前年同月比で上昇したというニュースが、私たちの日常に静かに、しかし確かに重くのしかかっている。いつからか、「物価上昇」は当たり前の言葉となり、毎月のニュースで耳にするようになった。しかし、その「当たり前」に、私たちは本当に慣れてしまって良いのだろうか。特に、これからの社会を担っていく私たち学生にとって、この物価上昇は単なる経済現象ではなく、未来への警鐘なのだ。
アルバイト代は微増するものの、食費、光熱費、そして将来への投資である学費や参考書代までもが値上がりしていく。描いていた「将来設計」は、じわりじわりと遠のいていくように感じる。節約を心がけるのは当然のこと。しかし、どこまで切り詰めるべきなのか、その線引きに悩む日々だ。友人たちと集まって将来について語り合う時も、経済的な不安が会話の端々に顔を覗かせる。夢や希望を語るはずの場が、現実的な「お金の話」で曇ってしまうのは、あまりにも切ない。
もちろん、物価上昇の背景には複雑な経済要因があることは理解している。しかし、その影響を最も強く受けるのは、まだ社会的なセーフティネットが十分に確立されていない私たち若者ではないだろうか。企業が値上げに踏み切る一方で、私たちの収入がそれに追いつかないという現状は、経済の恩恵が公平に分配されていない証拠でもある。
この状況を傍観しているだけでは、未来はより一層険しくなる。学生新聞として、私たちはこの「当たり前」になりつつある物価上昇に異議を唱えたい。そして、声なき若者の声を、社会に届けたい。
まずは、私たち自身が「なぜ物価が上がるのか」「私たちに何ができるのか」を真剣に考え、学び、議論を深める必要がある。そして、その声を学内だけでなく、地域社会、さらには国へと発信していく勇気を持たねばならない。
政府や企業にも、若者の未来への投資を真剣に考えてほしい。単なる一時的な支援ではなく、持続可能な経済成長と、若者が安心して未来を描けるような環境整備を強く求める。
物価上昇は、私たちの未来を蝕む見えない脅威だ。この現実に目を背けず、共に考え、行動していくこと。それが、私たち学生に課せられた使命であり、未来への希望を繋ぐ唯一の道だと信じている。
続伸する物価上昇：8月の消費者物価指数は前年同月比4.5％増,日本貿易振興機構
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