【コラム】「モン・サン＝ミッシェル」における「共通施設」の「長官」なる役職について
先日、「モン・サン＝ミッシェル」という、言わずと知れた世界遺産において、ある「共通施設」の「長官」なる役職が、その「年俸」という形で、我々一般国民には到底想像もつかないほどの高額な報酬を得ていたというニュースが報じられた。この事実を知り、多くの国民は、憤りや、あるいは諦めにも似た感情を抱いたことだろう。
「モン・サン＝ミッシェル」は、その歴史的、文化的価値から、世界中から多くの人々が訪れる、まさに人類共通の宝である。そのような場所の管理、運営に携わる者たちが、その功績に見合った、あるいはそれ以上の報酬を得ているとしても、ある程度は理解できるのかもしれない。しかし、「共通施設」という、いささか曖昧な表現で括られた部署の「長官」という肩書で、これほどまでの金額が動いていたというのは、一体どういうことなのか。
我々国民は、日々、限られた収入の中から税金を納め、様々な公共サービスを享受している。その額が、国民生活を支えるための礎であると信じ、納得して納めている。にもかかわらず、このような形で、税金とも思えるような公金が、一部の特権階級とも言える人々に、湯水のように使われていたとすれば、それは断じて容認できるものではない。
「長官」という役職が、一体どれほどの責任を負い、どのような功績を上げていたのか。その詳細については、報道だけでは到底伺い知ることはできない。しかし、少なくとも、その報酬に見合うだけの、国民全体の利益に資する、あるいは世界遺産という人類共通の遺産を、より良く守り、未来に継承していくための、目に見える、そして誰もが納得できるような貢献があったのかどうか。そこを、私たちは厳しく問う必要がある。
このような事態は、単に一箇所の「共通施設」の「長官」の話に留まらない。我々の社会には、まだまだ、見えにくいところで、このような「長官」や、あるいはそれに類する役職に就き、巨額の報酬を得ている人々が、少なからず存在しているのではないか、という疑念を抱かざるを得ない。
「モン・サン＝ミッシェル」のような、国境を越えた人類共通の遺産であっても、その運営においては、透明性と、何よりも国民への説明責任が不可欠である。ましてや、我々が日々の生活の糧として納めている税金が、こうした形で使われているのであれば、その使途について、国民一人ひとりが、納得できるような説明がなされるべきである。
今回の報道を、単なるスキャンダルとして片付けるのではなく、我々の社会のあり方、そして公金の使い方について、深く考えさせられる契機としたい。そして、このような不透明で、国民の感覚とかけ離れた報酬体系が、二度と繰り返されないよう、監視の目を光らせ、声を上げていくことが、我々国民の責務であると、改めて強く感じている。
モン・サン＝ミッシェルの公共施設の長官、年収が決定！,economie.gouv.fr
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