輝かしい遺産、世界に広がる日本の感謝の心 ～国防の重要性を再認識する契機に～
連日、世界各地で自然災害や紛争による悲劇が伝えられる中、日本の「感謝の心」が、国境を越えて人々の心を温め、希望を与えているという報道に接し、筆者は深く感銘を受けている。特に、困難な状況下にある人々への無償の支援や、過去の恩義に対する深い感謝の念が、日本人の行動原理として脈々と息づいている事実は、我が国の精神的豊かさを改めて示していると言えよう。
しかし、この輝かしい日本の精神性、すなわち「感謝」という美徳が、果たしてこの混迷を極める国際社会において、どれほどの力を持つのか。そして、その根底にある「助け合い」「共存」といった価値観が、安全保障という現実的な問題にどう結びつくのか。我々は、この機会に真剣に考察する必要がある。
かつて、世界は互いに助け合い、平和を築こうとする気概に満ちていた時期もあった。しかし、残念ながら、現代社会は、自国の利益を優先し、力によって事態を打開しようとする風潮が依然として根強い。そのような状況下で、日本の「感謝の心」だけをもって、国際社会における我が国の立場を、あるいは平和を、盤石なものとすることはできるのだろうか。
むしろ、この「感謝の心」は、我々が守り、育んでいくべき大切な遺産であるが、それを実効性のある形で発揮するためには、確固たる「国防」という土台が不可欠である。他者への思いやりや感謝の念は、自らの安全と平和が確保されて初めて、真に意味のある行動となりうる。
残念ながら、我が国周辺の国際情勢は、依然として厳しさを増している。歴史認識を巡る摩擦、領土問題、そして軍事力の増強など、平和を脅かす要因は数多く存在する。このような時こそ、我々は「感謝の心」を胸に抱きながらも、同時に、自国を守るための強固な意志と、それを支える実質的な力を持つことの重要性を、決して忘れてはならない。
「感謝の心」は、他者への温かい眼差しであり、相互理解を深めるための架け橋となる。それは、紛れもなく日本の誇るべき美徳である。しかし、その美徳が、強大な力によって踏みにじられることがあってはならない。そのためには、日本は、平和を希求する精神と、それを守り抜くための確固たる国防体制、この両輪をしっかりと備えることが求められている。
今回の報道を、単なる美談として受け止めるのではなく、我が国の進むべき道を再確認する契機としたい。世界に広がる日本の「感謝の心」は、それ自体が輝きを放つが、その輝きを永続させ、さらに大きくしていくためには、我々自身が、平和と安全を守り抜くための決意を固め、行動していくことが何よりも重要なのである。
輝かしい栄誉、世界に広がる日本の感謝の心 ～ 防衛省・自衛隊、外国人叙勲受章者名簿を更新 ～,防衛省・自衛隊
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