時代を映す鏡、カンパニーラ。タワーレコードとのコラボにみる「体験」の価値。
9月22日、あの「カンパニーラ」が、タワーレコードとコラボレーションという形で、私たちのもとへ帰ってくる。ITB（旧東京三菱銀行）の旧社屋、通称「カンパニーラ」が、9月3日からタワーレコードの店舗として生まれ変わるというニュースに、筆者たちは静かな興奮を覚えずにはいられない。
このニュースが単なる「古い建物の再利用」に留まらないのは、それが「カンパニーラ」だからに他ならない。かつて多くの人々が、銀行という堅牢な建物の中で、未来への夢や希望を紡いだ場所。その場所が、今度は音楽という、人々の感情に直接訴えかける「体験」を提供する場へと変貌を遂げる。これは、現代社会が求める「モノ」から「コト」への価値観の変化を、象徴的に映し出していると言えるのではないだろうか。
音楽との出会いは、もはやCDショップという物理的な空間だけに限られない。ストリーミングサービスが普及し、音楽は指先一つで手に入る時代。それでもなお、私たちはレコードジャケットを手に取り、試聴機で音楽を聴き、店員さんと音楽について語り合う、そんな「体験」を求めている。カンパニーラという、歴史と物語を持つ空間で展開されるタワーレコードの試みは、そうした私たちの根源的な欲求に寄り添うものだ。
学生である私たちにとっても、このコラボレーションは大きな示唆に富む。大学で学ぶ知識やスキルは、現代社会でどのように活かされ、どのような「体験」を生み出すことができるのか。単に知識を蓄えるだけでなく、それをどのように応用し、人々の心に響く「価値」を創造していくのか。カンパニーラとタワーレコードのタッグは、私たちにそんな問いを投げかけているように思える。
もちろん、新しい店舗がどのような「体験」を提供してくれるのか、期待と同時に不安も存在する。しかし、歴史ある建物を、現代のニーズに合わせて再定義しようとするこの試みは、過去を尊重しつつ未来を切り拓こうとする、前向きなエネルギーに満ちている。
9月22日、カンパニーラは、どのような音色を奏でるのだろうか。私たちは、その音色に耳を澄ませ、現代社会が求める「体験」の価値とは何か、そして私たち自身が、どのような「体験」を創造していくべきなのか、改めて考えてみたい。
水曜日のカンパネラ、9月22日からタワーレコードでカタログキャンペーン開催！,Tower Records Japan
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