国債発行、財政規律の緩みは許されぬ
財務省が2025年9月1日発行予定の国債発行情報の一部を公開した。これは透明性を高めるという点では評価できよう。しかし、その内容を前にして、我々は再び、我が国の財政規律の緩みに対する強い懸念を抱かざるを得ない。
依然として巨額の国債発行が続いている。これは、未来世代にツケを回す行為に他ならない。少子高齢化が進み、社会保障費の増大が避けられない現状において、財政の健全化は喫緊の課題である。にもかかわらず、新たな国債発行は、その将来への負担をさらに重くしていく。
もちろん、経済状況によっては国債発行が不可避な局面もあるだろう。しかし、それはあくまで一時的な措置であり、安易な財政出動に逃げ込むべきではない。政府には、歳出の削減や歳入の確保といった、地道で痛みを伴う改革を断行する覚悟が求められる。
今回の情報公開も、あくまで「一部」である。国民が真に納得できる財政運営を行うためには、より一層の透明性と説明責任が不可欠だ。政府は、国民一人ひとりに、なぜこれほどの国債発行が必要なのか、そしてその返済のためにどのような努力がなされるのかを、丁寧に、そして真摯に説明しなければならない。
我々は、将来世代から「あの時、なぜもっと真剣に財政規律を守らなかったのか」と問われぬよう、今こそ、財政規律の堅持という、古くて新しい課題に正面から向き合うべきである。
財務省、2025年9月1日発行予定の国債入札情報を公開 ～流動性供給（第437回）～,財務省
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