夏休み、大学は休校でも、知りたいことは止まらない
夏休み。学生たちにとっては待ちに待った休暇であろう。しかし、大学という学びの場が一時的に静寂に包まれるこの時期、我々はいかにして「知りたい」という人間の本質的な欲求に応えていくべきか。
近年、大学における夏休み期間中の授業実施や、オンライン授業の拡充といった動きが見られる。これは、限られたキャンパスの時間を有効活用し、学生の学習機会を最大化しようとする試みとして理解できる。しかし、大学が「休校」となるこの時期だからこそ、学生たちが主体的に学びを深める、あるいは新たな知的好奇心に触れる機会をどう提供していくべきか、改めて考えることも重要ではないだろうか。
もちろん、大学当局の努力を否定するものではない。しかし、大学という存在は、単に講義を聴くだけの場所ではないはずだ。図書館で黙々と研究に没頭する時間、ゼミの仲間と白熱した議論を交わす時間、あるいは予期せぬ出会いから生まれる刺激的な発見。そうした多様な学びの形が、大学という空間には内包されている。
夏休み、大学の扉が閉まることは、必ずしも「学びの停止」を意味しない。むしろ、この期間を、学生たちが自らの興味関心に基づいて、大学という枠にとらわれない自由な探求に費やす絶好の機会と捉えることもできる。例えば、地域社会との連携によるフィールドワーク、ボランティア活動を通じた実践的な学び、あるいは異分野の専門家との対話。これらは、大学のカリキュラムだけでは得難い、貴重な経験となるだろう。
また、近年はインターネットの普及により、世界中の知識にアクセスすることが容易になった。大学が提供するオンライン講座はもちろんのこと、個人が発信する質の高い情報も溢れている。大学は、こうした「学外」の学びの機会を、学生たちにどう提示し、その質を見極める力をどう育むか、という視点も持つべきではないだろうか。
夏休み、大学は休校となる。しかし、学生たちの「知りたい」という思いは、決して止まることはない。大学は、その止まることのない知的好奇心を、いかにして刺激し、育んでいくのか。この休校期間を、大学と学生双方にとって、新たな学びの形を模索する機会として捉え直すことが、今、求められているように思えてならない。
夏休み、大学はお休み！でも、知りたいことはいつでも学べるよ！,常葉大学
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