夏休み、大学は「お休み」でも、知りたいことは「無限」だ～知的好奇心という名の推進力～
今年の夏も、多くの大学は授業のない長期休暇を迎えている。キャンパスには学生の賑わいが減り、静寂が支配する時間も増えるだろう。しかし、この「お休み」こそが、学生たちにとって、あるいは未来の社会を担う若者たちにとって、かけがえのない「知の探求」の時間となり得るのではないだろうか。
「知りたいことは、知っていることより、はるかに多い」。この当たり前の事実を、夏休みは改めて突きつけてくれる。大学という組織が提供するカリキュラムや講義も重要だが、それはあくまで知の海における羅針盤に過ぎない。本当の航海は、学生一人ひとりの内なる好奇心によって導かれる。
昨今、大学教育のあり方について様々な議論がある。即戦力育成、グローバル人材育成、DX推進など、社会からの要請は多岐にわたる。しかし、こうした喫緊の課題に取り組む上で、最も基盤となるのは、やはり「知的好奇心」ではないだろうか。新しい知識や技術を貪欲に吸収しようとする意欲、未知の世界を探求しようとする探求心。これらがなければ、どれだけ優れたプログラムを用意しても、その効果は限定的になってしまうだろう。
夏休みは、そうした知的好奇心を研ぎ澄ます絶好の機会だ。図書館に籠もり、積読になっていた専門書を開く。興味を持った分野のオンライン講座を受講する。あるいは、ボランティア活動やインターンシップを通じて、机上の空論では得られない現場のリアルに触れる。研究室にこもり、次のブレークスルーに向けた試行錯誤を重ねる学生もいるだろう。
重要なのは、大学という枠組みから一度離れることで、むしろ「知る」ことへの純粋な欲求が、より鮮明に浮かび上がるということだ。誰かに強制されるからではなく、自らの意志で「知りたい」と願うこと。その原動力が、将来、社会に貢献する上で、何よりも力強い推進力となる。
業界紙として、私たちは常に社会の変化と、その変化を牽引する人材に注目している。大学の夏休みは、単なる学事の空白期間ではない。それは、学生たちが自らの知的好奇心を羅針盤に、無限の可能性を秘めた「知の海」へと漕ぎ出すための、貴重な「出港準備期間」なのだ。
この夏、多くの学生が、自らの「知りたい」という声に耳を澄まし、新たな発見と感動に出会えることを願ってやまない。そして、その知的好奇心こそが、明日の産業を、社会を、そして日本を、より豊かにしていく原動力となることを確信している。
夏休み、大学はお休み！でも、知りたいことはいつでも学べるよ！,常葉大学
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