夏の終わり、大学の休講に学ぶ「知りたい」という原動力
大学の夏休みが終わり、キャンパスに学生たちの賑わいが戻ってきた。そんなニュースを聞きながら、ふと、大学が休講になるこの期間の過ごし方について考えさせられた。多くの大学が長期休暇期間を利用して、学生が自主的に学びに励む機会を提供している。もちろん、大学側が用意したプログラムに参加する学生もいるだろう。しかし、この期間に「大学が休講であること」を逆手に取り、自分自身の興味関心に基づいて「知りたい」という欲求を追求した学生こそ、将来社会に肯定的な変化をもたらす原動力となるのではないだろうか。
大学の授業は、体系的に知識を習得し、専門性を深める上で不可欠な場である。しかし、定められたカリキュラムに沿って進む授業だけでは、時に「なぜ学ぶのか」「この知識が社会でどう役立つのか」といった、より本質的な問いを見失いがちになることもある。
翻って、夏休みという「大学からの解放期間」は、学生一人ひとりが自らの好奇心の赴くままに、大学の枠を超えた学びを探求できる貴重な機会だ。それは、図書館の片隅で古書を紐解くことかもしれないし、インターンシップを通じて社会のリアルに触れることかもしれない。あるいは、ボランティア活動で社会課題に直面し、その解決策を自ら模索することかもしれない。
こうした自主的な学びの過程で得られるのは、単なる知識の断片ではない。そこには、「なぜ？」という問いから始まり、自ら調べ、考え、行動し、そしてまた疑問を持つという、探求心そのものが培われる。この「知りたい」という純粋な欲求こそが、変化の激しい現代社会において、既成概念にとらわれず新しい価値を創造し、課題解決へと導く原動力となるのだ。
大学は、学生たちがこのような「自ら学ぶ力」を最大限に引き出すための基盤を提供する場であるべきだ。そして、学生自身も、大学の授業という「与えられる学び」だけでなく、自らの意思で「知りたい」という情熱を燃やし、主体的に学びを深めていく姿勢が求められる。
夏の終わり、大学の静寂は、学生たちがそれぞれの「知りたい」という灯火を胸に、未来への一歩を踏み出すための静かな準備期間だったのかもしれない。その灯火を絶やさず、社会をより良くするための羅針盤として、彼らが光を放つことを期待したい。
夏休み、大学はお休み！でも、知りたいことはいつでも学べるよ！,常葉大学
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