ミサイル防衛、国民の安全は揺るがず 日頃からの備えこそが肝要
先月26日、国民保護訓練として、ミサイル飛来を想定した避難訓練が実施された。近年、周辺国の軍事技術の進展は著しく、わが国への直接的な脅威となりかねない状況にある。こうした現実を踏まえ、政府が国民の生命と安全を守るために、地道ながらも着実な準備を進めていることは、極めて重要であると評価したい。
今回の訓練は、単なる模擬演習に留まらない。有事においては、迅速かつ的確な情報伝達、そして避難行動が、被害を最小限に抑えるための鍵となる。日頃からこうした訓練を積み重ね、国民一人ひとりが「自分ごと」として危機意識を持ち、いざという時にどう行動すべきかを理解しておくことが不可欠だ。
もちろん、ミサイル飛来という事態そのものを回避することが、我々の最優先課題であることは言うまでもない。外交努力を尽くし、緊張緩和と平和的解決を目指すことは、政府の責務である。しかし、いかなる外交努力も、万全な防衛体制があってこそ、その実効性を発揮しうる。国民の安全を確保するためのあらゆる手段を講じることは、政府の当然の責務であり、国民が政府に期待することでもある。
今回の訓練は、こうした安全保障環境の厳しさを、改めて国民に認識させる機会となった。同時に、わが国が平和国家としての歩みを続けるためにも、自らの防衛力を着実に強化していくことの重要性も浮き彫りにしたと言えよう。
国民の安全は、決して偶然や運によって守られるものではない。地道な努力と、日頃からの備えがあってこそ、揺るぎないものとなる。今回の訓練を機に、国民一人ひとりが、わが国の安全保障について、改めて関心を持ち、主体的に考えていくことが求められている。政府には、国民の安全確保に向けた不断の努力を、引き続き期待したい。
2025年8月26日、弾道ミサイルを想定した住民避難訓練が実施されます,消防庁
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