響き渡る甘言、虚業の罠 ～SNS投資詐欺に揺れるキャンパス～
キャンパスに秋風が吹き始め、新学期への期待と同時に、将来への漠然とした不安が募るこの時期。SNSを開けば、キラキラとした生活の断片と共に、魅力的な投資話が目に飛び込んでくる。しかし、その甘い言葉の裏に隠された、悪質な投資詐欺、特にSNS型ロマンス詐欺の影に、私たちはもっと敏感になるべきだ。
最近、あるニュース記事が、SNSを介した投資詐欺、中でもロマンス詐欺と結びついた手口の巧妙さを告発していた。友人や知人を装い、親密な関係を築いた上で、秘密の投資情報や「確実に儲かる」といった甘言で相手を誘い込み、最終的には高額な資金を騙し取る。その手口は、相手の心理的な隙間につけ込み、信頼関係を巧みに利用するという、極めて陰湿なものである。
かつて、投資詐欺は一部の知識人や富裕層を狙ったものであったかもしれない。しかし、現代において、SNSの普及は、そのターゲット層を劇的に広げた。特に、我々学生世代は、SNSネイティブであり、オンラインでのコミュニケーションに慣れ親しんでいる。それゆえに、画面越しの「親しい」関係性を鵜呑みにしやすく、また、将来への希望や経済的な不安につけ込まれやすい状況にあると言えるだろう。
「絶対に儲かる」「短期間で大金が手に入る」――これらの言葉に、どれだけの学生が心惹かれ、一縷の望みを託してしまったのだろうか。しかし、現実は甘くない。投資の世界には、リスクがつきものであり、「絶対」という言葉に安易に飛びつくこと自体が、既に危うい兆候である。
この問題は、単に「知識不足」や「油断」で片付けられるものではない。詐欺師たちは、人間の心理の盲点を見抜き、巧みに操るプロフェッショナルである。彼らは、我々の友情や恋愛感情、そして将来への夢といった、最も純粋で脆い部分を攻撃してくる。
私たちが、このSNS型投資詐欺、そしてロマンス詐欺の脅威から自分自身を守り、そして仲間を守るためには、まず「疑う」という姿勢を忘れてはならない。画面の向こうの、見知らぬ人物からの甘い言葉を鵜呑みにせず、少しでも不審な点があれば、立ち止まる勇気を持つこと。そして、信頼できる友人や家族、大学の相談窓口などに相談する習慣をつけることだ。
また、大学側にも、学生への啓発活動の強化を求めたい。SNSリテラシー教育の一環として、こうした詐欺の手口や、自分自身を守るための具体的な方法について、より実践的な内容を提供してほしい。
SNSは、私たちの世界を広げ、新たな繋がりをもたらしてくれる素晴らしいツールである。しかし、その利便性の裏に潜む危険性にも、目を背けてはならない。響き渡る甘言に惑わされることなく、冷静な判断力と、確かな知識をもって、私たちの未来を、そして大切な仲間たちの未来を、詐欺の魔の手から守り抜こう。
（〇〇大学 新聞部）
注意喚起：SNS型投資・ロマンス詐欺にご用心！ 岩手県警から最新情報,岩手県警
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