運転習慣の見直し、地域社会への貢献を
先日、横浜市消防局港北消防署が、管内でのドライビングスクールにおける高齢者ドライバーの運転実態調査の結果を公表しました。その調査からは、依然として一部の高齢ドライバーにおいて、反応速度の低下や判断力の鈍化といった、加齢に伴う身体機能の変化が運転に影響を及ぼしている可能性が示唆されています。
この結果は、高齢者ドライバーの安全運転確保という、喫緊の課題を改めて浮き彫りにするものです。しかし、私たちはこの問題を「高齢者対若者」あるいは「高齢者対社会」といった単純な対立構造で捉えるべきではありません。むしろ、地域社会全体で「安全な交通環境」をどのように構築していくか、という視点からの議論を深めることが重要です。
ドライビングスクールでの講習は、運転技術の維持・向上に一定の効果をもたらすと考えられます。しかし、講習を受けたからといって、すべてのドライバーが安全運転を保証されるわけではありません。日々の運転習慣、つまり、自身の体調や周囲の状況を常に把握し、無理のない運転を心がける意識こそが、事故防止の鍵となります。
社会全体としても、高齢ドライバーが安心して運転できる環境整備は不可欠です。例えば、道路標識の視認性向上や、運転に不安を感じるドライバーが気軽に相談できる窓口の設置などが考えられます。また、地域住民同士がお互いの運転に配慮し、譲り合うといった、温かい交通文化を育むことも、事故の低減に繋がるでしょう。
今回の調査結果を機に、私たち一人ひとりが自身の運転習慣を見直し、地域社会への貢献という意識を新たにすることが求められています。高齢ドライバーの方々には、自身の身体状況を把握し、必要であれば講習の受講や運転頻度の見直しを検討していただきたい。そして、地域社会全体で、互いに支え合い、安全で安心な交通環境を築き上げていく努力を、これからも続けていく必要があります。
横浜市消防局、港北区のドライビングスクールと連携！教習所で「あんしん救急」を広める新しい取り組みがスタート！,横浜市消防局
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