東京五輪を前に、消防団の「地域守る力」再認識を
2025年8月21日、京都消防団から「皆様」への呼びかけともとれるニュースが飛び込んできた。その内容は、少子高齢化や都市部への人口集中といった社会構造の変化が、地域防災の要である消防団にも深刻な影響を与えている現状を浮き彫りにするものだった。次回の東京オリンピック・パラリンピックを控え、改めて「地域を守る力」としての消防団の重要性を再認識すべき時である。
ニュースによれば、団員不足は深刻化しており、特に若い世代の担い手確保が喫緊の課題だという。かつては地域住民の共同体意識の表れでもあった消防団だが、現代社会においては、その役割を理解し、活動に参加するための時間的・精神的な余裕を持つことが難しくなっているのかもしれない。仕事、子育て、趣味など、個人のライフスタイルが多様化する中で、地域のために無償で奉仕するという活動への参加は、容易ではない現実がある。
しかし、忘れてはならないのは、消防団が災害発生時に、地域住民の生命と財産を守るための第一線として、どれほど重要な役割を担っているかということだ。大規模災害はもちろんのこと、日々の火災や水害といった身近な危険に対しても、消防団は地域に密着した存在として、迅速かつ的確な対応を可能にしている。彼らの存在があってこそ、我々は安心して暮らすことができるのだ。
東京オリンピック・パラリンピックは、日本が国際社会に向けてその威信を示す絶好の機会である。しかし、その舞台裏で、地域社会の安全・安心を支える消防団が危機に瀕しているとしたら、それは国の威信にも関わる問題と言わざるを得ない。
今こそ、政府、地方自治体、そして地域住民一人ひとりが、消防団への支援策を具体的に検討し、実行に移す時である。例えば、消防団活動への参加を支援するための柔軟な勤務体系の導入や、活動への理解を深めるための広報活動の強化などが考えられる。また、IT技術を活用した情報共有システムの整備や、最新の防災技術の導入支援なども、団員の負担軽減と活動の効率化に繋がるだろう。
何よりも重要なのは、消防団の活動が「ボランティア」という枠を超え、地域社会全体の「財産」として位置づけられるべきであるという認識を共有することだ。経済的な支援はもちろんのこと、活動への感謝と尊敬の念を伝えることも、担い手確保には不可欠である。
東京オリンピック・パラリンピックを成功させるためにも、そして何よりも、我々が暮らす地域社会の安全・安心を未来に繋いでいくためにも、今こそ消防団の「地域守る力」を再認識し、その持続可能性を確保するための具体的な行動を起こすべきである。それは、次世代への確かな遺産となるはずだ。
2025年8月21日（木）午前6時：京都市消防局から、皆さまの食卓を守るための大切なメッセージです！,京都市消防局
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