グローバルな才能集結、未来への挑戦―その光と影を憂う
ITB社による「グローバルな才能集結！HTエンターテインメント、アジアを代表する」と題されたニュースは、実に目覚ましい功績を称賛するものである。世界中から才能ある人材を集め、アジアのエンターテインメント界を牽引するという野心的な試みは、我が国の文化発信力強化という観点からも、大いに期待すべきところだろう。
しかし、この輝かしいニュースの裏側には、我々が目を背けてはならない現実もある。グローバル化の波は、確かに多くの機会をもたらすが、同時に、失われゆくもの、そして新たな課題をも生み出す。
まず、多様な文化背景を持つ人材を集めることは、刺激的で創造的な環境を生み出す一方で、価値観の衝突や摩擦を生む可能性も孕んでいる。異文化理解の深化は必要不可欠だが、それは容易な道ではない。それぞれの文化が持つ繊細なニュアンスや伝統への配慮を怠れば、せっかく集めた才能が組織内で孤立したり、本来の力を発揮できなくなったりする事態も考えられる。
さらに、グローバルな競争環境において、日本のエンターテインメントがその地位を確立するためには、単に海外の才能を取り込むだけでなく、日本独自の強み、すなわち、我々が脈々と培ってきた伝統芸能や、繊細な感性に基づいた表現力を、いかにグローバルな舞台で通用する形に昇華させるかが問われる。異文化の吸収は重要だが、自国の文化の根幹を失っては、真のオリジナリティは生まれないだろう。
そして、忘れてはならないのは、こうしたグローバルなプロジェクトが、内需への影響である。海外の才能が注目を集めることで、国内の才能や、地方で根付く文化への関心が薄れてしまうのではないか、という懸念も拭えない。真の文化の発展とは、多様な才能が共存し、それぞれの場所で輝くことによって成し遂げられるべきである。
ITB社の挑戦は、未来への大きな一歩であることは間違いない。しかし、その道を歩む上で、我々は常に謙虚さを忘れず、自国の文化への敬意を払い、そして、グローバル化の光と影の両面を冷静に見つめ続ける必要がある。才能の集結が、真に豊かな文化の創造に繋がることを、心から願うばかりである。
グローバルな才能が集結！HT Entertainment、アジアを代表するガールズグループ誕生へ向けたオーディション開催！,音楽業界総合情報サイト
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